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〒856-0805 長崎県大村市竹松本町840番地9号2F

第1章 1-3 自衛官としてあと何年働くのか|50代の住宅購入を定年退官から逆算する

50代になった自衛官へ~これから「家」をどうする?

 

 

始めに結論

50代自衛官の住宅購入は、購入した日の年齢ではなく「定年退官までの残り年数」と「退官時点に残る住宅ローン」を起点に判断します。退官後の仕事と収入が未確定なら、現役時代の給与が続く前提で返済計画を組んではいけません。

 

最初に記入するのは「退官予定日」と「収入が切り替わる月」

住宅購入を考える際、物件の価格や住宅ローンの完済予定年齢から検討を始めがちです。しかし、定年退官を控えた自衛官は、現役給与が終了する日付が家計上の大きな転換点です。ローンを完済できる見通しとは別に、退官直後に返済原資がどう変わるかを確認する必要があります。

定年年齢は個人の階級・職域・制度の適用時期などで確認が必要です。防衛省「令和8年版防衛白書:人的基盤強化の取組」では、自衛官特有の若年定年制度を説明しています。一般の国家公務員の定年年齢をそのまま自分の計画へ転用せず、所属部隊・人事担当から本人の退官予定日を確認してください。

 

 

「残り勤務年数」から住宅ローンを逆算する順番

確認順序は、①退官予定年月、②購入・融資実行の予定月、③退官時のローン残高、④退官後の手取り収入と再就職開始時期、⑤家族が住み続ける期間、⑥購入を延期する場合の家賃総額です。住む地域が退官後に変わる可能性があるなら、通勤条件や売却可能性まで一緒に判断します。

判断時点

記入する数字・資料

必ず確認すること

購入前

退官予定年月・家族の予定

現役給与が何か月続くか

融資申込時

借入額・金利・返済期間

退官後の返済額と融資条件

退官時

その時点の元金残高

退職金使用を前提にしていないか

再就職開始時

手取り収入と通勤費

勤務先・採用時期の確定度

60歳以降

生活費・年金見込・修繕費

住居の継続負担を賄えるか

 

数字で確認する|完済年齢ではなく退官時残債

【架空条件】52歳で2,000万円の住宅ローンを組み、返済期間20年、全期間年2.0%の元利均等返済と仮定します。月々の返済額は約101,177円です。5年後の57歳で退官すると仮定した場合、60回返済後の元金残高は約1,572万円です(円未満処理による概算)。

完済予定が72歳であっても、57歳の退官時には1,500万円を超える残債が残る計算です。退官予定年齢57歳は本例の仮定であり、自衛官全員に共通する定年ではありません。本人の正式な退官予定日と金融機関の返済予定表に置き換えてください。

年代別に変わる購入判断の整理は「30代・40代・50代で家の買い方はどう変わる?」に掲載しています。生活費から予算を計算する段階では「手取り収入から住宅購入予算を逆算する方法」が役立ちます。急いで買う必要があるかは「今家を買うべき?数年待つべき?」で、延期の費用と比較してください。

 

 

退官後の収入を、現役給与の延長として計算しない

防衛省「令和8年版防衛白書:新たな生涯設計の確立」では、若年定年退職者の所得が一般に退職時の7割強へ下がり、60歳時点でさらにその7割になる構造を説明しています。あくまで政策資料に示された一般的な構造であり、本人の将来所得の保証値ではありません。再就職先が決まっていない場合、収入額を一つに固定せず、複数の仮定で赤字期間が生じないか確認してください。

 

 

2026年給与ワンポイント|現役中の改善と退官後の収支は別

防衛省「令和8年版防衛白書:自衛官の処遇改善」では、2025年度から給与面を含む処遇改善が実現し、2027年度の独自給与体系改定を目指す方針としています。現役中の改善が説明されても、2026年の本人の給与実額や退官後の再就職収入は確定しません。給与明細・退官予定・再就職見込を別々に整理してください。

 

 

購入判断を止めるべき場面

判断を止める条件: 正式な退官日を確認していない、退官時残債を試算できない、再就職収入を現役給与と同額で仮置きしている、退官後の居住地が定まっていない場合は、契約前に家計と立地を再検討します。

 

 

無料ワークシート|退官年表とローン残高

「50代自衛官のための住まいを考えるワークシート」(PDF)から「02 退官後収支表」と「04 完済年齢確認表」を使用してください。退官年月を境目に収支を区切ると、返済計画の弱い時期が見えやすくなります。

 

 

よくある質問(Q&A)

Q1. 50代自衛官は何歳まで住宅ローンを組めますか?

 

   A.統一した上限はありません。金融機関・商品によって申込年齢と完済年齢の条件が異なります。例えば【フラット35】の公式条件は申込時原則満70歳未満などの要件を定めています。

 

 

Q2. 退官まであと5年なら購入を諦めるべきですか

 

   A.一律に諦める必要はありません。ただし、退官時点の残債、退官後の手取り額、家族の居住期間、手元現金を確認し、購入と延期を比較してください。

 

 

Q3. 定年年齢が延びる可能性を見込んで借入してもよいですか?

 

  A.制度変更を本人への適用が確定する前から前提にすることは避けます。退官日と現行制度の確認は人事担当へ行い、制度資料は防衛省の人的基盤強化資料で照合してください。

 

 

Q4. 退官時に退職金で残債を全額返す計画は有効ですか?

 

   A.退職金の受取見込、税・支払時期、老後に必要な資金を確認した場合に限り検討できます。退職金をすべて返済に充てる計画は手元資金不足を招く可能性があります。

 

 

Q5. 再就職の給与が決まっていない時の収支はどう作りますか

 

   A.就職前の無収入期間、就職後の複数の手取り額、年金開始までの期間を分けて試算し、最も厳しい期間でも資金不足が生じないか確認します。

 

 

 

 

 

出典・情報確認日

情報確認日:2026年10月10日。法令・制度・金融商品・記事リンクは公開時にも最新情報を再確認してください。本文内の金額例はすべて明示した架空条件による試算です。

・防衛省「令和8年版防衛白書:人的基盤強化の取組」

・防衛省「令和8年版防衛白書:新たな生涯設計の確立」

・防衛省「令和8年版防衛白書:自衛官の処遇改善」

・住宅金融支援機構「【フラット35】ご利用条件」

※ 本稿は個別の融資承認、投資成果、再就職先の決定を保証するものではありません。融資条件は申込金融機関、制度適用や本人の勤務条件は各担当窓口へご確認ください。

 

 

 

 

 

執筆/監修 株式会社陸自不動産 小松野美貴哉