④ 新築ワンルームマンション投資|諸費用まで借りると何が起きるのか?
新築ワンルームマンション投資|陸自不動産はなぜ警鐘を鳴らすのか

新築ワンルームマンション投資|諸費用まで借りると何が起きるのか?
自衛官投資家諸元(新築ワンルームマンション投資への警告)
「買える」は能力ではない。「判断できる」が投資家の能力だ。
「諸費用までローンに含められるので、自己資金をほとんど使わずに始められます」。新築ワンルームマンションの営業で、そんな説明を受けた自衛官の方もいらっしゃるでしょう。手元の預金を残せる点は、資金計画を考えるうえで意味があります。しかし、購入時に現金を出さずに済むことと、費用の負担がなくなることは別です。借りた諸費用は返済する元金となり、利息も発生します。また、売却を検討した際には、物件価格だけを見ていたときには気づかなかった不足資金が明らかになる場合があります。本記事では、諸費用を含む借入総額、返済負担、市場価値との関係を整理します。購入前の方も保有中の方も、借入額と資産価値を同じ紙に並べるところから確認してください。
始めに結論
物件価格だけでなく諸費用まで借りると、借入総額が購入直後の中古市場価格を上回る場合があります。融資可能額ではなく、資産価値と負債総額、返済負担、売却時の不足資金を確認する必要があります。
諸費用を借りても、費用が消えるわけではない
諸費用の借入れは、購入時の現金支出を将来の返済へ移す資金調達です。
物件価格が3,000万円でも、購入に必要な総額が3,000万円とは限りません。登記、融資、保険などの費用を加え、自己資金と借入れでどう支払うかを整理します。
主な確認項目は次のとおりです。
| 費用の区分 | 確認する項目の例 |
|---|---|
| 登記関係 | 登録免許税、司法書士報酬 |
| 融資関係 | 事務手数料、保証料など |
| 契約関係 | 印紙代など |
| 保険関係 | 火災保険料など |
| 売買取引関係 | 仲介がある場合の仲介手数料、精算金など |
| その他 | 不動産取得税、修繕積立基金など、該当する支出 |
すべての取引で全項目が発生するわけではありません。支払時期や借入対象にできる範囲も異なります。
金融機関の一次情報でも、融資に伴う事務手数料、登記費用、火災保険料等が案内されています。実際の条件は利用する商品で確認してください。オリックス銀行「借り入れに必要な諸費用」
3,000万円の物件でも、負債は3,150万円になる場合がある
資産と比較する相手は、物件価格ではなく、実際の借入総額です。
以下は説明用の仮定例です。物件価格と購入諸費用を全額借り、購入直後で元金返済前とします。
| 項目 | 仮定の金額 |
|---|---|
| 新築販売価格 | 3,000万円 |
| 購入諸費用 | 150万円 |
| 借入総額 | 3,150万円 |
| 購入直後の中古市場想定額 | 2,500万円 |
| 借入総額が市場想定額を上回る部分 | 650万円 |
計算は、3,150万円-2,500万円=650万円です。
650万円の内訳は、購入価格と市場想定額の差500万円に、借りた諸費用150万円を加えたものです。
諸費用を借りても、物件の市場価値が同額増えるわけではありません。ただし、2,500万円は実際の査定結果ではなく、150万円も標準的な諸費用額を示していません。価格差と費用は個別確認が必要です。
差額650万円と、売却時の不足資金は同じとは限らない
売却して全額返済する場合は、残債に売却・返済費用を加えて確認します。
基本式は次のとおりです。
不足資金=売却時のローン残債+売却・返済に伴う費用-売却代金
計算結果がプラスなら、その条件で全額返済するための資金が不足します。
前述の仮定例で、売却・返済費用をさらに100万円と仮定すると、不足資金は750万円です。借入総額と市場想定額の差650万円だけでは、出口の資金計画は完成しません。
また、650万円の差があるだけで、直ちに同額の現金支払いを求められるという意味ではありません。保有中の返済と、売却時の精算は分けて考えます。
毎月の返済と、手元に残す現金を両方確認する
同じ金利・期間・返済方式なら、借入元金が増えるほど返済額と利息負担も増えます。
物件本体と諸費用が別のローンになっている場合は、金利や返済期間が異なる可能性もあります。返済予定表を合算し、家賃から運営費用と全ローンの返済額を引いてください。
一方、借入れを減らすために預金を使い切ると、空室、修繕、生活上の支出へ対応しにくくなります。
陸自不動産は、諸費用ローンを一律には否定しません。判断するのは、次のバランスです。
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借入れを増やした場合の返済負担
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手元に残る現金と、その使途
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収支が悪化した場合に補える金額
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売却時の不足資金へ対応できるか
「自己資金を使わず買える」という入口だけで、購入の適否は決められません。
自衛官投資家諸元
物件価格ではなく、諸費用を含めた借入総額を説明できるか。
確認資料は、購入費用明細、融資条件書、返済予定表、査定資料です。
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購入費用を項目別に整理する。
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自己資金で払う費用と借りる費用を分ける。
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諸費用ローンを含む借入総額を合算する。
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第三者査定の価格帯と比較する。
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売却費用を含めた不足資金を試算する。
問いは、**「いくら借りられるか」ではなく、「資産より負債を大きくして購入していないか」**です。
融資承認は、物件の収益性や将来の売却価格を保証しません。本人の返済能力と、物件単体の採算性を分けて判断してください。
よくある質問
Q.諸費用までローンに含めると何が問題ですか?
A.借入総額と返済負担が増え、市場価値を上回る負債を抱える場合があります。売却時に、売却代金だけでは全額返済できない可能性も確認します。
Q.諸費用にはどのような項目がありますか?
A.登記費用、融資手数料、保険料、該当する税金や仲介手数料などです。取引や融資商品によって異なるため、費用明細で確認してください。
Q.フルローンやオーバーローンは一律に避けるべきですか?
A.名称だけでは判断できません。本記事では、物件価格全額の借入れをフルローン、諸費用等を含め物件価格を超える借入れをオーバーローンとして扱います。収支、負債と資産の差、手元資金から検討します。
Q.借入総額と市場価値はどう比較しますか?
A.借入直後は借入総額、保有中は現在の残債を、同じ時点の売却想定額と比較します。実際の精算には売却・返済費用も加えてください。
Q.融資可能額まで借りても問題ありませんか?
A.融資可能額が、家計に適した借入額とは限りません。空室や修繕、金利変動、生活費を含め、無理なく負担できる範囲を別に確認する必要があります。
関連記事
第2テーマの「購入価格と市場価値」、第3テーマの「新築プレミアム」に、今回は諸費用を含む負債総額の視点を加えました。公開済みの関連記事もご参照ください。
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自衛官がやってはいけない不動産投資とは? その投資、一発状況終わりです!
陸自不動産の問題意識を紹介した記事です。過去の数値例を、現在の相場や全物件へ一律に当てはめるものではありません。
著者
小松野美貴哉|株式会社陸自不動産 代表取締役
陸上自衛隊勤務36年の経験と不動産実務の視点から、自衛官・公務員が営業説明だけに依存せず、価格、融資、収支、リスク、出口戦略を自ら判断するための情報を発信しています。
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受講料は98,000円(税込)。2026年9月5日の公式ページでは「常に返金不可」と表示されています。申込み前に最新の内容・価格・キャンセル条件をご確認ください。
キャッチコピーの金額は個別物件の損失予測ではありません。受講による損失回避や収益を保証するものでもありません。
免責・出典
本記事は、諸費用を含む借入れと資産価値の関係を整理した陸自不動産の見解です。数値は説明用の仮定例であり、実際の価格差、諸費用、融資条件を示すものではありません。査定価格は成約価格を保証しません。
借入対象、金利、返済条件、売却時の精算方法は、金融機関や契約によって異なります。個別の融資は金融機関、法律・税務上の判断は各専門家へご確認ください。
融資費用の参考:オリックス銀行「借り入れに必要な諸費用」
価格情報の調査先:国土交通省「不動産情報ライブラリ」
情報確認日:2026年9月5日。
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