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④ まず金融機関へ相談する意味|不動産会社だけでは判断できない住宅ローン問題

住宅ローンの返済が苦しくなったら最初に何を確認する?

 

住宅ローンの返済が難しくなったとき、不動産会社へ相談すれば、金融機関との話し合い、返済条件の変更、抵当権の取扱い、売却まで全て任せられると思う人もいるかもしれません。しかし、住宅ローンは金融機関との契約であり、不動産売却は不動産取引です。返済条件、完済必要額、債権者としての判断は借入先金融機関へ確認し、市場価格、査定、販売戦略、買主の募集、売買契約、決済・引渡しは不動産会社が支援します。相談先ごとの役割を正しく分けることが、住宅ローンと自宅売却を整理する第一歩です。

 

 

住宅ローンの返済が苦しい場合、不動産会社だけに相談すればよいのでしょうか?

初めに結論

不動産会社だけでは、住宅ローンの返済条件、返済方法変更、完済必要額、金融機関が求める売却条件などを決定できません。返済条件や金融機関側の手続は借入先金融機関、自宅の市場価格、査定、通常売却の可能性、販売方法は不動産会社が主な確認先です。住宅金融支援機構の対象融資でも、返済方法変更には相談、申請、審査、契約という段階があり、希望どおりの変更が認められるとは限りません。

 

 

 

住宅ローン問題には金融面と不動産面がある

住宅ローンの返済が苦しくなった場合は、金融面と不動産面を分けて整理します。

金融面で確認する内容

  • 現在の住宅ローン残高

  • 完済予定日時点の完済必要額

  • 毎月返済額とボーナス返済額

  • 返済方法変更の相談窓口

  • 返済条件変更の申請方法

  • 必要資料

  • 審査結果

  • 売却時に金融機関が求める手続

主な確認先は借入先金融機関です。

不動産面で確認する内容

  • 自宅の現在の市場価格

  • 不動産会社の査定価格

  • 想定成約価格

  • 売却時に見込まれる諸費用

  • 通常売却で完済できる可能性

  • 販売価格と販売方法

  • 買主募集と広告

  • 売買契約から決済・引渡しまでの流れ

主な確認先は不動産会社です。

両方の情報をそろえることで、返済を継続するのか、返済方法変更を相談するのか、通常売却を検討するのかという判断材料を整理できます。

 

 

住宅ローンの返済条件は金融機関が判断する

返済期間、毎月返済額、ボーナス返済、元金の取扱いなどについて変更を希望する場合は、借入先金融機関へ相談する必要があります。

住宅金融支援機構は、対象融資について、返済方法変更の手続を次の順序で案内しています。

  1. 返済中の金融機関への事前相談

  2. 返済方法変更に必要な申請書等の提出

  3. 金融機関からの審査結果通知

  4. 承認された場合の返済方法変更契約

住宅金融支援機構は、返済方法変更に審査があり、希望に添えない場合があることも明示しています。住宅金融支援機構「返済方法の変更を希望するとき」

掲載された手続や変更例は、住宅金融支援機構の対象融資に関する公表内容です。民間金融機関が提供する全ての住宅ローンへ、同じ変更内容や条件が適用されるとは限りません。

 

 

「相談」「申請」「審査」「承認」は別の段階

金融機関へ事情を伝える行為は「相談」です。返済条件変更を正式に求める行為は「申請」です。その後、金融機関等が契約内容、返済状況、収入、今後の返済可能性などを確認する段階が「審査」です。

審査を経て認められた場合に、返済方法変更の契約へ進みます。

段階 主な内容 注意点
相談 現在の状況や希望を金融機関へ説明する 相談だけで変更が決まるわけではない
申請 必要書類をそろえて変更を申し込む 必要書類は金融機関や商品で異なる
審査 金融機関等が適用可能性を判断する 審査結果を不動産会社は予測できない
承認・契約 承認された内容で変更契約を結ぶ 条件や総返済額を確認する

相談したという事実だけを理由に、返済額の減額、返済期間の延長、元金据置などが承認されるとは断定できません。

 

返済方法変更で総返済額が増える場合がある

返済方法を変更した結果、毎月の返済負担が軽くなる場合でも、返済期間や利息負担の変化によって総返済額が増える可能性があります。

住宅金融支援機構も、返済方法の変更内容によって総返済額が増える場合があると案内しています。住宅金融支援機構「月々の返済でお困りになったとき」

金融機関へ相談する場合は、月々の返済額だけでなく、次の項目も確認してください。

  • 変更後の返済期間

  • 変更後の毎月返済額

  • ボーナス返済の取扱い

  • 変更後の総返済額

  • 金利や手数料の取扱い

  • 変更期間終了後の返済額

具体的な条件は、借入先金融機関から提示された資料で確認する必要があります。

 

相談対応と個別申込みの承認は同じではない

金融庁は2025年11月27日付の要請で、住宅ローンや個人ローンについて、丁寧な相談対応や、顧客の状況・ニーズに応じた返済猶予等の条件変更へ迅速かつ柔軟に対応し、生活・暮らしの支援に努めるよう金融機関等へ求めています。金融庁「金融の円滑化に向けた取組及び事業者支援の徹底について」

また、金融庁が掲載する監督指針では、住宅資金借入者から貸付条件変更等の申込みがあった場合、財産と収入の状況を勘案しながら相談へ応じることを監督上の着眼点として示す一方、実行するかどうかの最終判断は各金融機関の責任で行うとしています。

金融機関に相談対応が求められていることと、個別の申込みを必ず承認しなければならないことは同じ意味ではありません。

 

金融庁の公表件数は個人の承認確率ではない

金融庁は、金融機関における貸付条件変更等の申込み、実行、謝絶、審査中、取下げなどの取組状況を公表しています。

公表された集計は、金融機関全体の取組状況を件数で示したものです。特定の住宅ローン利用者が返済条件変更を認められる確率や成功率を示す資料ではありません。

そのため、公表件数から「条件変更できる可能性は○%」と算出することはできません。個別の審査結果は、契約内容、収入、財産、返済状況、申請内容などを確認しなければ判断できません。

 

不動産会社だけでは判断できない事項

不動産会社は、次の事項を決定できません。

  • 返済条件変更の承認・不承認

  • 金融機関が求める返済条件

  • 完済予定日時点の完済必要額

  • 金融機関が売却時に求める手続

  • 抵当権に関する金融機関側の条件

  • 任意売却へ同意するかどうか

  • 債務整理など法律上の手続選択

  • 登記申請の代理

  • 譲渡所得などの税務判断

  • 信用情報への個別の影響

不動産会社が金融機関の内部審査や債権者側の判断を予測し、承認結果を保証することはできません。

 

不動産会社が支援する売却側の領域

不動産会社は、不動産売却の出口を支援します。

  • 土地・建物の物件調査

  • 現在の市場価格調査

  • 価格査定

  • 想定成約価格の検討

  • 売却諸費用の整理

  • 通常売却で完済できる可能性の検討

  • 販売価格と販売方法の提案

  • 広告と購入希望者の募集

  • 内覧対応

  • 購入申込みの取りまとめ

  • 売買契約実務

  • 決済・引渡しに向けた連絡調整

査定価格は成約価格を保証する数字ではありません。また、不動産会社が返済条件や法律上の手続を決定することもできません。

 

相談先ごとの役割分担

相談内容 主な確認先 不動産会社が支援できる内容 注意点
返済条件・返済方法 借入先金融機関 売却を検討するための資料整理 承認結果は保証できない
現在の残高・完済必要額 借入先金融機関 査定・売却資金計画の整理 金融機関の数値を優先する
市場価格・査定 不動産会社 調査・査定・販売戦略 査定価格は成約保証額ではない
債務整理・法的代理 弁護士等 不動産売却側の資料提供 法律判断や代理を行わない
抵当権抹消登記 司法書士・法務局等 決済日程などの実務調整 登記申請代理と不動産仲介を分ける
税務判断 税理士・税務署等 売買代金・費用資料の整理 個別税額を断定しない

抵当権抹消は誰に確認するのか

売却する不動産に抵当権が設定されている場合は、完済手続と抵当権抹消に関する確認が必要です。

不動産会社は、売買契約や決済の日程を整理し、金融機関や司法書士との実務上の連絡調整を行う場合があります。しかし、不動産会社は抵当権抹消登記を代理する専門職ではありません。

法務局は、抵当権抹消登記について本人が申請する方法のほか、登記専門家である司法書士へ依頼する方法を案内しています。法務局「住宅ローン等を完済した方へ」

個別案件で抵当権を抹消する条件、必要書類、書類の交付時期などは、借入先金融機関、司法書士、法務局等へ確認してください。

 

金融機関へ相談する前に整理する項目

  • 借入先金融機関名

  • 住宅ローンの商品名

  • 契約者・債務者・連帯債務者などの契約関係

  • 現在の住宅ローン残高

  • 毎月返済額

  • ボーナス返済の有無と金額

  • 返済期日と直近の返済状況

  • 現在の収入と主な支出

  • 今後確定している収入・支出の変化

  • 自宅売却も検討するかどうか

  • 金融機関へ確認したい具体的な質問

必要資料の名称や提出要件は、金融機関や融資商品によって異なります。正式な必要資料は借入先金融機関の案内を確認してください。

 

金融機関へ確認する質問例

相談内容を明確にするため、質問事項を事前に整理します。

  • 返済方法に関して相談できる選択肢はありますか

  • 相談や申請に必要な資料は何ですか

  • 申請後はどのような手続になりますか

  • 返済方法を変更した場合、毎月返済額はどうなりますか

  • 返済期間と総返済額はどうなりますか

  • 自宅を売却する場合、いつまでに連絡が必要ですか

  • 売却予定日時点の完済必要額はどのように確認しますか

  • 抵当権抹消関係書類はどのように交付されますか

質問へどのような回答が示されるかは、個別の契約内容や金融機関の判断によるため、事前には確認できません。

 

相談先を確認するためのチェックリスト

  • 住宅ローン残高を借入先金融機関へ確認した

  • 完済必要額の確認方法を金融機関へ尋ねた

  • 返済条件変更の相談窓口を確認した

  • 相談と申請を同じ段階として扱っていない

  • 申請後に審査があることを理解した

  • 査定価格と成約価格の違いを確認した

  • 自宅の市場価格を不動産会社へ確認した

  • 抵当権抹消登記の相談先を確認した

  • 法律・登記・税務の専門領域を分けた

  • 不動産会社へ金融機関の判断を求めていない

 

 

 

よくある質問

Q.住宅ローンの返済が苦しい場合、銀行と不動産会社のどちらへ相談すべきですか?

返済条件や完済必要額は借入先金融機関、市場価格や通常売却の可能性は不動産会社が主な確認先です。売却も検討する場合は、金融面と不動産面を分けて並行して整理する方法があります。

 

Q.不動産会社は住宅ローンの返済条件を変更できますか?

変更できません。返済条件の変更は、借入先金融機関等への相談・申請・審査を経て判断される事項です。不動産会社は、査定や売却資金計画の資料整理を支援します。

 

Q.金融機関へ相談すると必ず返済方法を変更してもらえますか?

必ず変更されるとは限りません。住宅金融支援機構の対象融資でも審査があり、希望に添えない場合があると案内されています。

 

Q.金融機関へ相談する前に何を整理すればよいですか?

住宅ローン残高、毎月返済額、ボーナス返済、収入、支出、今後の収支変化、直近の返済状況、相談したい内容を整理します。必要資料は借入先金融機関へ確認してください。

 

Q.住宅ローン残高や完済に必要な金額は誰に確認しますか?

借入先金融機関へ確認します。残高証明書の金額と完済予定日時点の必要額が一致するとは限らないため、完済予定日を前提に確認してください。

 

Q.抵当権抹消について誰に相談すればよいですか?

完済手続や関係書類は借入先金融機関、登記申請は司法書士・法務局等が主な確認先です。不動産会社は決済日程などの実務調整を支援します。

 

Q.金融機関へ相談すると信用情報に影響しますか?

相談した事実だけで信用情報へどのような影響が生じるかは、一律には確認できません。返済状況、契約変更の有無、申請内容などの個別事情が関係するため、借入先金融機関へ確認してください。

 

 

 

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  • 第5章「通常売却で住宅ローン問題を整理できる場合とは?」

  • 第6章「オーバーローンの場合はどう考える?」

  • 第7章「任意売却とは何か?|誰が関与する手続なのか」

※公開時に実際の掲載ページへ内部リンクを設定してください。

 

株式会社陸自不動産へ相談できる内容

住宅ローンの返済条件や変更可能性は、借入先金融機関へ確認します。自宅を売却した場合の市場価格、通常売却の可能性、販売方法は、不動産会社が確認・支援する領域です。

株式会社陸自不動産では、大村市を中心に、物件調査、価格査定、売却諸費用の整理、販売戦略、購入希望者の募集、売買契約、決済・引渡しまで、不動産売却側の実務を支援します。

売却するか決まっていない段階でも、金融機関へ確認する事項と、不動産会社へ確認する事項を分けるための状況整理から相談できます。

 

 

 

免責事項

本記事は、住宅ローン返済と不動産売却に関する一般的な情報提供を目的としています。返済条件、返済方法変更、審査、債権者の判断、抵当権、信用情報、法的手続などは、借入先金融機関、融資商品、契約内容、返済状況、個別事情によって異なります。具体的な返済条件は借入先金融機関、法律上の個別判断は弁護士等、登記は司法書士、税務は税理士等へ確認してください。不動産会社は、査定、販売戦略、買主探索、売買契約、決済・引渡しなど、不動産売却側の実務を支援します。

 

 

 

参考情報

 

 

執筆者情報

株式会社陸自不動産
代表取締役 小松野美貴哉
保有資格:宅地建物取引士・おうち売却の達人

大村市を中心に、不動産の価格査定、売却諸費用の整理、通常売却の可能性、販売戦略、売買契約から決済・引渡しまで、不動産売却に関する実務を支援しています。

 

 

 

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