③ 私の投資歴
自衛官の不動産投資
私の投資歴|約600万円の損切りから一棟物件・民泊撤退まで
初めに結論
私の投資歴を振り返ると、投資経験の価値は利益額だけでは測れません。本人申告ベースで約600万円、別の民泊事業では約450万円の損失を受け入れています。損失拡大を止める判断、資金拘束を解く判断、別の投資対象へ資金を移す判断も、投資における重要な経験だと考えています。
不動産投資に関する情報は、成功例や高利回り、売却益などに注目が集まりやすい一方、赤字物件をなぜ売却したのか、なぜ事業から撤退したのかという部分は表に出にくいものです。
私自身も、区分所有、一棟物件、戸建賃貸、駐車場、民泊など複数の不動産投資を経験し、その後は投資信託、NISA、J-REIT等へ資金を振り向ける選択もしてきました。
しかし、すべての案件が利益で終わったわけではありません。
約600万円の損失を受け入れて区分所有を売却した経験もあれば、民泊事業から約450万円の損失を受け入れて撤退した経験もあります。
本章では成功と失敗を単純に分けず、当時どのような判断を行い、現在どのような教訓として捉えているのかを時系列で整理します。
※本章の年齢、金額、投資履歴等は代表者本人の申告資料に基づく記載です。
27歳で札幌市豊平区の2LDKを購入
事実
私が最初に不動産を購入したのは27歳のときです。
札幌市豊平区に2LDKの区分所有物件を購入しました。
当初から現在のような投資理論や出口戦略を十分に理解して購入したわけではありません。若い時期に不動産を所有した経験が、後の不動産投資を考える出発点になりました。
当時の判断
購入時には「将来いくらで売却できるのか」「借入残高と市場価格が将来どのような関係になるのか」という出口まで十分に把握していたとは言えませんでした。
現在の学び
不動産は、購入した時点で将来の売却条件まで考える必要があります。
購入価格だけではなく、
・将来のローン残高
・周辺の中古相場
・賃料水準
・管理費や修繕費
・売却費用
・許容できる最大損失額
まで確認する。
現在の私なら、購入前に必ず確認する項目です。
転勤を機に自宅を賃貸へ転用
事実
自衛官には転勤があります。
札幌で購入した2LDKも、転勤をきっかけとして自ら居住する住宅から賃貸物件へ転用しました。
当時の判断
住まなくなった住宅について、「売却する」「空室のまま保有する」「賃貸へ出す」という選択肢があります。
私は賃貸へ出す方法を選択しました。
現在の学び
自宅として購入した住宅を賃貸へ転用できるとしても、住宅取得時の判断と不動産賃貸としての採算判断は同じではありません。
家賃が入るだけでなく、ローン、管理、修繕、空室、税金、将来の売却まで含めて考える必要があります。
37歳で約600万円の損失を受け入れて売却
事実
本人申告では、37歳のとき、札幌市豊平区の区分所有物件を売却し、約600万円の損失を受け入れました。
当時の判断
約600万円という金額だけを見れば、売却したくないという感情が生まれても不思議ではありません。
しかし、含み損を抱えた物件を保有し続ければ、損失が消えるとは限りません。
保有を続ける場合には、
・毎月の追加負担
・将来の修繕
・借入残高
・物件価格の変動
・資金拘束
・管理に使う時間
も続きます。
私は損失を確定させてでも、その物件から離れる判断をしました。
現在の学び
不動産投資の損切りは、「損を認める行為」だけではありません。
保有継続によって発生し得る追加損失と、売却して資金・時間を別の用途へ移す選択を比較する判断でもあります。
600万円を失った事実だけを見れば成功とは言えません。
一方、その後の投資判断に大きな影響を与えた経験でもあります。
41歳で福岡市中心部の7室・8室一棟物件と駐車場を取得
事実
本人申告では41歳の時期に、福岡市中心部で7室・8室規模の一棟物件や駐車場を取得しています。
区分所有だけではなく、一棟物件へ投資対象を広げた時期です。
当時の判断
一棟物件では複数戸から賃料を得られる反面、建物全体の修繕や空室、設備、管理について所有者が負う責任も大きくなります。
複数戸を持つことで空室リスクを分散できる面があっても、一棟物件そのものが安全な投資になるわけではありません。
現在の学び
「区分だから危険」「一棟だから安全」という分け方ではなく、取得価格、賃料、空室、修繕、融資条件、立地、出口を案件ごとに判断する必要があります。
42歳で熊本の自宅と駐車場を収益化
本人申告では42歳の時期に、熊本の自宅と駐車場を収益化する経験もしています。
不動産投資では、新たな収益物件を購入するだけが方法ではありません。
すでに所有している不動産について、利用状況や地域需要を確認し、収益を生む資産として活用できる場合があります。
一方、賃貸へ転用すれば必ず利益が出るわけではないため、管理費用、修繕、税金、空室などを含めた収支確認が必要です。
43歳で福岡市大濠の築古アパートを取得|資料上の表面利回り16%
事実
本人申告資料では43歳の時期に、福岡市大濠の築古アパートを取得し、資料上の表面利回りは16%でした。
当時の判断
16%という数字は、一見すると非常に高い利回りに見えます。
しかし、表面利回りは年間賃料収入と取得価格を中心に計算した指標です。
実際の収益を考える場合には、
・空室
・管理費
・修繕費
・固定資産税等
・保険料
・取得時費用
・融資条件
・将来の売却価格
なども確認する必要があります。
現在の学び
高利回りという数字だけで投資の成功は決まりません。
数字の前提条件を確認する習慣が重要です。
49歳・51歳・54歳で一棟物件を順次売却
本人申告では、一棟物件を49歳、51歳、54歳の時期に順次売却しています。
不動産投資では「何を買うか」と同じ程度に「いつ売るか」が重要です。
物件を永久に所有する必要はありません。
市場価格、物件の状態、借入残高、今後の修繕、賃料、別の資金需要などを比較し、売却する合理性が高いと判断すれば、出口へ進む選択があります。
売却益と保有期間中の収入を分けて考える
不動産投資の成果を評価するとき、「いくらで売れたか」だけを見るのは不十分です。
仮に購入価格より高く売却できたとしても、
売却価格-購入価格
だけを投資利益として扱うことはできません。
取得時には諸費用があり、保有中には賃料収入と各種経費があり、売却時にも費用が発生します。税務上の利益も別の計算になります。
したがって、
・保有期間中の賃料収支
・元本返済
・修繕等の支出
・取得費用
・売却費用
・売却時の収支
・税務上の結果
を分けて評価する必要があります。
本章の本人申告資料だけでは、各物件の取得価格、融資条件、税額、修繕費等を完全には確認できないため、推測による利益額は記載しません。
浅草・御徒町の民泊事業と住宅宿泊事業法施行後の撤退
事実
私は東京の浅草・御徒町エリアで民泊事業にも取り組みました。
その後、住宅宿泊事業法施行後の事業環境を踏まえ、民泊事業から撤退しています。
住宅宿泊事業法は2017年6月に成立し、2018年6月15日に施行されました。住宅宿泊事業では都道府県知事等への届出が必要となり、年間提供日数は原則180日が上限とされています。
本人申告資料と制度施行時期との間には年齢・年次について確認を要する部分があるため、本記事では撤退時の年齢および年を断定しません。
当時の判断
事業を始めた時点で成立していた収益モデルであっても、制度、競争環境、需要、運営コストなどが変われば、採算条件も変わります。
環境が変わった後も「すでに投資したから」という理由だけで続ける必要はありません。
約450万円の損失を受け入れた理由
本人申告では、民泊事業の撤退に伴い約450万円の損失を受け入れています。
投じた資金を考えれば、撤退には抵抗があります。
しかし、過去に使ったお金だけを理由に赤字事業を続ければ、追加の資金、時間、労力まで投入することになります。
重要なのは、
過去にいくら使ったかではなく、今後続けた場合と撤退した場合のどちらが合理的か
という比較です。
約450万円の損失は望んだ結果ではありません。
一方、損失を拡大させないために撤退を選択するという判断経験になりました。
会社設立・投資信託・NISA・J-REIT等への資金再配分
不動産だけを投資対象とする考え方から、現在はより広い視点で資金配分を考えています。
会社設立という事業への投資も行い、投資信託、NISAを利用した資産形成、J-REIT等についても選択肢として捉えてきました。
個別の商品を推奨する趣旨ではありません。
不動産へ資金を集中させるのか、複数の資産へ分けるのか、自分の年齢、資金、目的、許容損失などから判断するという考え方です。
人・物・金・時間を投資対象として捉える現在の考え方
現在、私は投資を「不動産を買うこと」だけとは考えていません。
投資できる資源には、
人・物・金・時間
があります。
知識を身につけるために時間を使う。
必要な人材へ資金を使う。
事業へ設備を投入する。
自分自身の能力を高める。
不動産を取得する。
金融資産へ資金を配分する。
すべて、将来の価値を期待して現在の資源を配分するという意味では投資です。
重要なのは、他人が勧める投資対象へ資金を出すことではなく、
自分が目的とリスクを理解したうえで、自分の資源をどこへ配分するかを決めること
だと考えています。
私の投資履歴
| 時期 | 投資対象 | 主な判断 | 結果または学び |
|---|---|---|---|
| 27歳 | 札幌市豊平区2LDK | 自宅として購入 | 後に賃貸へ転用 |
| 転勤時 | 札幌の区分所有 | 自宅から賃貸へ変更 | 賃貸経営を経験 |
| 37歳 | 札幌の区分所有 | 売却を選択 | 本人申告で約600万円の損失 |
| 41歳 | 福岡市中心部の一棟物件・駐車場 | 7室・8室規模等を取得 | 一棟経営を経験 |
| 42歳 | 熊本の自宅・駐車場 | 既存不動産を収益化 | 保有資産の活用を経験 |
| 43歳 | 福岡市大濠の築古アパート | 資料上の表面利回り16% | 高利回りだけでは判断できないと学ぶ |
| 49歳・51歳・54歳 | 一棟物件 | 順次売却 | 出口判断を経験 |
| 年齢・年次は断定せず | 浅草・御徒町の民泊 | 事業環境を踏まえ撤退 | 本人申告で約450万円の損失 |
| その後 | 会社・金融資産等 | 資金配分先を拡大 | 投資対象を広く捉える |
※年齢、金額、表面利回りは本人申告資料に基づきます。取得価格、借入条件、税額、修繕費等が確認できない項目について推測値は使用していません。
私が現在使う損切りの判断基準
損切りを考えるとき、私は売却損だけでは判断しません。
確認するのは主に次の項目です。
-
今売却した場合の損失額
-
保有を続けた場合の追加赤字
-
今後必要となる修繕費
-
売却時点の借入残高
-
資金が拘束され続ける期間
-
管理に必要な時間と労力
-
別の投資・事業へ資金を使った場合の選択肢
損失を確定したくないという感情と、保有継続が合理的かという判断は分ける必要があります。
FAQ
Q. 損切りは投資の失敗を意味しますか。
損切りだけを取り出して、投資経験全体の成功・失敗を決めることはできません。
売却によって損失が確定する一方、保有を続けた場合には追加赤字、修繕、資金拘束などが発生する可能性があります。
重要なのは、売却と保有継続の双方を比較したうえで判断することです。
Q. 高利回りなら必ず成功しますか。
高利回りだけでは投資の成功を判断できません。
表面利回りが高くても、想定賃料が維持できるとは限りません。
空室、修繕、取得費、融資条件、管理費、税金、売却価格などを含めて収支を確認する必要があります。
私自身、資料上の表面利回り16%という物件を経験していますが、利回りという一つの数字だけで投資判断を行うべきではないと考えています。
Q. 小松野代表と同じ物件を選べば同じ結果になりますか。
同じ結果になるという再現保証は一切できません。
不動産投資の結果は、取得時期、地域、購入価格、融資条件、金利、空室率、修繕状況、管理能力、税制、市場環境、売却時期などによって変わります。
本章の投資履歴は、特定の物件種別を推奨するためではなく、一人の投資経験から判断材料を示すことを目的としています。
本章のまとめ
-
投資経験の価値は、利益額だけでなく、損失拡大を止めた判断や撤退経験からも評価できます。
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損切りでは売却損と保有継続時の追加負担を比較する必要があります。
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不動産は購入時点から出口と許容できる最大損失額を考えることが重要です。
-
資金を一つの投資対象へ固定せず、目的に応じて再配分する選択があります。
-
本章の経験は代表者本人の過去の事例であり、同様の投資成果を再現する保証はありません。
次章案内
第4章では、自衛官の職業上の信用が販売会社からどのように評価され、営業対象になりやすいのかを分析します。
「公務員だから安心」という言葉の裏側で、販売会社や金融機関から自衛官という属性がどのように見られているのかを整理し、営業説明と自分自身の投資判断を分ける方法を解説します。
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『公務員はなぜマンション投資で狙われるのか?: あなたが狙われる理由、投資マンション営業の裏側』|Amazon
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自衛官・公務員が投資マンション営業を受けた際、営業担当者へ判断を委ねず、価格、収支、融資、出口を自分で検証するための学習資料です。
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『再就職で満足しているのか?: 勝てない場所で消耗するな。再起動せよ。』|Amazon
https://www.amazon.co.jp/dp/B0FC24B4ZT
自衛官の退職後、再就職、収入源、人生設計について考えるための学習資料です。特定の投資方法や成果を保証するものではありません。
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『自衛官(公務員)の為の不動産投資教本〖全37動画 プレミアム版〗』|コエテコカレッジ byGMO
https://college.coeteco.jp/live/lj6c7x79
自衛官・公務員が不動産投資について学び、自分自身で投資判断を行うための知識習得を目的とした講座です。特定物件の購入や投資成果を保証するものではありません。
参考資料
本人申告資料:投資の要訣(番外編)
観光庁「住宅宿泊事業法(民泊新法)とは?」
https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/overview/minpaku/law1.html
確認日:2026年9月2日
著者紹介
株式会社陸自不動産 代表取締役 小松野美貴哉
宅地建物取引士
自衛官としての勤務経験と、自らの不動産投資、事業、損切り、撤退、不動産取引の実務経験を踏まえ、自衛官・公務員が営業説明だけに依存せず、自分自身で判断するための情報を発信しています。
免責事項
本記事に記載した代表者の投資履歴、年齢、損失額、表面利回り等は、本人申告資料に基づく過去の経験です。
同様の物件、地域、投資方法を選択した場合に、同様の利益、売却価格、損失回避、税務結果が得られることを保証するものではありません。
不動産投資の結果は、購入時期、地域、融資条件、金利、管理能力、制度、物件状態、賃貸需要、修繕、売却時期などによって異なります。
個別の投資・融資判断については金融機関や宅地建物取引士等へ、税務については税理士等へ、契約その他の法律問題については弁護士等へ個別にご確認ください。
投資信託、NISA、J-REIT等への記載も、特定商品への投資を推奨するものではありません。
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