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〒856-0805 長崎県大村市竹松本町840番地9号2F

⑩ 決済前の現地確認で不具合を発見したら?|補修・引渡条件を契約書と照合

購入申込み・重要事項説明・売買契約で止まれる境界線

決済前の現地確認で不具合を発見したら?|補修・引渡条件を契約書と照合

住宅購入では、売買契約を締結した後も、残代金決済と物件引渡しという重要な手続が残っています。決済直前の現地確認で、契約時にはなかった設備故障、漏水、残置物、補修未了などが見つかる場合もあります。その際、「不具合があるから残代金を払わない」と買主だけで判断するのは適切ではありません。発見した状態を記録し、売買契約書、特約、付帯設備表、物件状況報告書などと照合したうえで、売主・媒介会社と対応を整理する必要があります。本章では、大村市で住宅を購入する方へ、決済直前に問題が見つかった場合の確認手順と、決済を進めるか立ち止まるかの判断基準を解説します。

 

Q.決済前の現地確認で不具合が見つかった場合はどうしますか?

結論

決済前の現地確認で不具合を発見した場合は、写真・動画・日時などで状態を記録し、売買契約書、特約、付帯設備表、物件状況報告書と照合します。その後、売主・媒介会社と補修、費用負担、引渡条件を協議します。残代金の支払停止や契約解除を買主だけで判断せず、契約内容と専門家の確認に基づいて対応してください。

 

1.決済前の現地確認は「契約時の約束が履行されているか」を見る

決済前の現地確認では、単に室内をもう一度見るだけではなく、

売買契約時に合意した状態で物件が引き渡されるか

を確認することが重要です。

主な確認事項には、

・契約後に新たな損傷がないか
・売主が修理すると合意した箇所は対応済みか
・撤去するとされた残置物はなくなっているか
・引渡対象となった設備が残っているか
・付帯設備に新たな故障がないか
・空き家期間中に漏水等が発生していないか
・庭、物置、外構等の状態が変わっていないか

などがあります。

決済前の確認で判断基準となるのは、

「買主が気に入る状態か」ではなく、「契約時に合意した状態と一致しているか」

という視点です。

 

2.不具合を見つけたら最初に「事実」を記録する

決済直前に問題を発見すると、

「話が違う」

「こんな状態では買えない」

と感情的になりやすくなります。

しかし、最初に行うべきなのは事実確認です。

記録したい内容は、

・発見日時
・発見場所
・不具合の状態
・写真
・動画
・設備の場合は動作状況
・誰が立ち会っていたか

です。

たとえば、

「給湯器が壊れている」

だけではなく、

「○月○日○時、給湯器を作動させたが給湯できなかった」

という形で状態を整理します。

雨漏りらしいシミを発見した場合も、

「雨漏りだ」

と即断するのではなく、

天井にシミが確認された

という客観的事実として記録し、必要に応じて専門業者の調査へ分けます。

 

3.次に売買契約書・特約・告知書類と照合する

不具合を記録した後は、契約時の書類と照合します。

確認する主な書類は、

・売買契約書
・特約
・付帯設備表
・物件状況報告書
・告知書
・修補や撤去等に関する合意書
・重要事項説明書

です。

たとえば給湯器が動かなかった場合には、

付帯設備表ではどう記載されているか

を確認します。

売主が修理すると約束していた部分なら、

契約書や特約に修理条件が記載されているか

を確認します。

民法第562条では、引き渡された目的物が種類・品質・数量について契約内容に適合しない場合、買主が修補等の履行の追完を請求できる制度が定められています。ただし、実際に契約不適合へ該当するか、どの請求が可能かは個別の契約内容と事実関係によって判断が異なります。(e-Gov 法令検索)

 

4.契約時から存在していた不具合か、契約後に発生したのかを分ける

同じ故障でも、発生時期によって確認内容が変わります。

契約前から存在していた不具合

付帯設備表や物件状況報告書へ記載されていたか確認します。

買主が故障を承知したうえで購入したのであれば、契約条件との関係を確認する必要があります。

契約後に新しく発生した不具合

契約時には正常だった設備が引渡し直前に故障した場合などです。

誰がどこまで対応するのかは、売買契約書や付帯設備表の条項を確認します。

売主が修理すると合意していた箇所

修理完了を確認します。

未修理の場合は、決済までに行うのか、引渡し後に対応するのか、別の条件へ変更するのかを協議します。

「故障がある」という事実だけではなく、契約上どの状態で引き渡す約束だったかを確認することが重要です。

 

5.不具合を発見してからの時系列フロー

第1段階 発見

決済前の現地確認で契約時と異なる状態を確認する。

第2段階 記録

写真、動画、日時、場所、症状を記録する。

第3段階 契約書類と照合

売買契約書、特約、付帯設備表、物件状況報告書等を確認する。

第4段階 売主確認

媒介会社を通じて、発生時期、原因、売主の認識を確認する。

第5段階 対応を協議

補修、交換、撤去、費用負担、引渡し後対応などを協議する。

第6段階 書面化

合意内容を特約、合意書、確認書等の適切な書面へ反映する。

第7段階 決済可否を判断

契約内容と合意結果を踏まえ、予定どおり決済するのか、日程等の調整が必要なのかを確認する。

法的判断が必要な場合は、弁護士等の専門家へ確認します。

 

6.「壊れていたから売主が必ず直す」とは限らない

決済前に設備故障が見つかった場合、

売主が必ず修理する

とは一律に判断できません。

たとえば、

・契約上、修理対象となっている設備か
・付帯設備表で故障なしとされているか
・現状有姿等の特約があるか
・設備について別の特約があるか
・故障発生の時期はいつか

などを確認する必要があります。

国土交通省が公開している付帯設備表の参考資料でも、引渡し対象設備の有無や故障・不具合の状態を具体的に記載する考え方が示されています。(国土交通省)

大切なのは、

「中古住宅だから仕方がない」

でも、

「壊れているから当然に新品交換」

でもありません。

契約書類と実際の状態を照合します。

 

7.補修する場合は「何を・誰が・いつまでに」を決める

売主が補修することになった場合、

「後で直します」

だけで決済へ進むべきではありません。

少なくとも、

対象箇所

どの設備、どの部分を補修するのか。

対応方法

修理、部品交換、本体交換など、どこまで対応するのか。

費用負担

誰が負担するのか。

期限

決済前なのか、引渡し後なのか。

完了確認

買主がどのように補修完了を確認するのか。

を整理します。

引渡し後の補修となる場合には、実施期限や確認方法を曖昧にしないことが重要です。

口頭合意だけで終わらせず、媒介会社へ文書化を依頼します。

 

8.不具合を理由に買主だけで残代金を止めない

決済直前に重大な不具合を発見した場合、

「納得できないから残代金は払わない」

と考えることがあります。

しかし、残代金の支払拒絶が法的に認められるかどうかは、不具合の内容、売主の履行状況、売買契約書の条項などによって判断が異なります。

民法第533条には、双務契約について、相手方が債務の履行を提供するまで自己の債務の履行を拒める場合に関する規定があります。一方で、個別の不動産売買で残代金全額の支払拒絶が認められるかを、買主だけで判断できるという意味ではありません。(e-Gov 法令検索)

したがって重大な問題を発見した場合は、

・媒介会社
・決済に関与する司法書士
・必要に応じて弁護士

へ速やかに連絡します。

「決済するしかない」と決めつける必要も、「自分で決済を止めればよい」と判断する必要もありません。

契約上の立場を確認してから対応します。

 

9.契約解除できるかは不具合を見ただけでは判断できない

決済直前に雨漏りや設備故障を発見した場合、

「契約を解除できますか?」

という問題が生じます。

民法では契約不適合に対する追完請求、代金減額、損害賠償、解除等の制度がありますが、解除の可否は不具合の程度、契約内容、特約、売主の対応などによって個別判断が必要です。(e-Gov 法令検索)

そのため、

「雨漏りなら解除できる」

「設備故障なら解除できない」

と種類だけで判断しません。

契約解除、残代金支払拒絶、決済延期など法的・金銭的影響が大きい判断は、弁護士等への確認を優先します。

 

10.大村市の戸建でも物件ごとの現況を確認する

大村市の中古戸建では、対象物件によって、

・一定期間空き家だった
・庭木や外構がある
・倉庫、物置等がある
・浄化槽等の設備がある

など、確認項目が異なります。

また、契約から引渡しまでの間に台風や大雨等があった場合、買主としては対象物件の状態を改めて確認したい場面もあります。

ただし、

「大村市では漏水が多い」

「空き家は故障しやすい」

など、根拠のない地域特性として一般化することは適切ではありません。

陸自不動産では、地域全体を推測するのではなく、対象物件そのものの契約時と引渡し前の状態を比較して判断することを重視します。

 

11.決済前の確認を「いつ行うか」は固定ルールではない

「決済日の何日前に現地確認すればよいですか?」

という質問があります。

全国一律の固定日数はありません。

物件、売主の退去時期、補修予定、決済日程などによって異なります。

重要なのは、

問題を発見した場合に、確認・協議する時間が確保できる時期に行うこと

です。

補修箇所がある場合には、補修完了後に再確認する必要が生じる場合もあります。

決済直前になって慌てないよう、媒介会社と最終確認の日程を事前に調整します。

 

12.「進む・立ち止まる・専門家確認」を分ける

決済へ進みやすい状態

・現地確認を行った
・契約時と状態が一致している
・補修予定箇所を確認した
・残置物撤去を確認した
・付帯設備を確認した
・不具合がある場合の対応が書面化されている
・売主・買主双方の認識が一致している

決済・引渡し条件を確認できている状態です。

一度立ち止まった方がよい状態

・契約時になかった不具合がある
・売主が行う予定だった補修が終わっていない
・残置物が残っている
・設備が契約時と違う
・口頭でしか対応方法が決まっていない
・誰が費用を負担するか不明
・引渡し後の対応期限が決まっていない

事実確認と条件整理が終わるまで、決済手続について媒介会社へ確認します。

専門家へ個別確認した方がよい状態

・重大な雨漏りや構造上の問題が判明した
・売主が補修等を拒否している
・契約不適合責任の適用について争いがある
・残代金支払を止めるべきか判断が必要
・契約解除を検討している
・違約金、損害賠償等の問題が生じている

法律判断は弁護士、登記・決済手続は司法書士、建物状態は建築士等、融資は金融機関など、内容に応じて確認してください。

 

 

本章のまとめ

・決済前の現地確認では、契約時の合意状態が維持されているか確認します。
・不具合を見つけたら、写真・動画・日時等で客観的に記録します。
・売買契約書、特約、付帯設備表、物件状況報告書と照合してから対応を協議します。
・補修や引渡し後の対応は、対象・費用・期限を具体化して書面へ残します。
・残代金支払停止や契約解除は買主だけで判断せず、契約内容と専門家確認を踏まえて判断します。

買主向けチェックリスト

□ 決済前の現地確認日を決めていますか?
□ 契約時の写真や資料を準備しましたか?
□ 売買契約書・特約を確認しましたか?
□ 付帯設備表を持参しましたか?
□ 物件状況報告書を確認しましたか?
□ 売主が行う補修は完了していますか?
□ 残置物は契約どおり撤去されていますか?
□ 発見した不具合を写真・動画で記録しましたか?
□ 未対応事項の期限と費用負担を書面化しましたか?
□ 決済可否について独断で判断していませんか?

 

 

 

Q&A

Q.決済前にエアコンが壊れていたら売主が直しますか?

必ず修理するとは限りません。付帯設備表、売買契約書、特約でエアコンの扱いと故障時の責任を確認し、契約時の状態との違いを整理して売主・媒介会社と対応を協議します。

 

Q.契約後に雨漏りが発生したら契約解除できますか?

雨漏りがあるという事実だけで一律に解除できるとは判断できません。不具合の程度、発生時期、契約内容、特約、売主の対応などを確認する必要があります。解除を検討する場合は弁護士へ個別確認してください。

 

Q.最終確認は決済日の何日前に行うべきですか?

全国一律の日数はありません。売主の退去、補修状況、決済日程などを踏まえ、不具合を発見した場合に確認・協議できる時間を確保できる時期を媒介会社と調整してください。

 

Q.不具合が残ったまま決済する場合は何を書面に残しますか?

少なくとも対象箇所、現在の状態、対応内容、費用負担者、対応期限、完了確認方法を明確にします。具体的な書面形式や法的効果は取引内容によって異なるため、媒介会社や必要に応じて弁護士へ確認してください。

 

 

 

参考資料・公的機関

e-Gov法令検索「民法 第533条・第562条等」

双務契約における同時履行の抗弁、契約内容に適合しない目的物についての履行追完請求等を確認しました。個別の不動産売買で残代金支払拒絶や解除が可能かは、契約内容と事実関係による個別判断が必要です。

確認日:2026年9月2日。(e-Gov 法令検索)

e-Gov法令検索「民法」を確認

国土交通省「付帯設備表に関する参考資料」

引渡し対象となる設備の有無、故障・不具合の記載、設備状態の確認に関する参考資料を確認しました。

確認日:2026年9月2日。(国土交通省)

 

 

大村市で住宅購入を検討している方へ

株式会社陸自不動産では、大村市周辺の新築住宅、中古住宅、土地について、物件調査、購入申込み条件の整理、重要事項説明・売買契約に関する宅地建物取引業務、売主側との条件調整、決済・引渡し前の現地確認などを行っています。

決済前の現地確認では、単に「問題がなさそうだから終わり」とするのではなく、契約時の書面と現在の状態を照合し、補修、残置物、設備、引渡条件が合意どおりになっているかを確認することを重視しています。

契約解除、残代金支払拒絶、契約不適合責任、違約金、損害賠償等の法律判断は弁護士、登記・決済手続は司法書士、建物の専門判断は建築士等、税務は税理士、融資は金融機関など、各専門分野で個別確認が必要です。

 

 

著者紹介

小松野美貴哉

株式会社陸自不動産代表取締役。陸上自衛隊勤務36年を経て不動産業界へ転身し、住宅購入・売却、住宅ローン、相続、離婚、転勤など、不動産に関する問題へ実務家として対応しています。

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免責事項

本記事は、一般的な不動産取引および住宅購入契約に関する情報提供を目的としています。

決済前に不具合が発見された場合の補修義務、残代金支払拒絶、決済延期、契約解除、契約不適合責任、違約金、損害賠償等の法的・金銭的結果は、売買契約書、特約、物件状態、売主属性、発生時期、取引経過等によって異なります。

現地確認で問題を発見した場合でも、買主が一方的に残代金支払や決済を停止できることを保証するものではありません。

個別案件については、宅地建物取引士、金融機関、司法書士、建築士等、税理士、弁護士など、該当分野の専門家へご確認ください。

 

 

 

 

 

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