⑥ 同じ建売住宅を複数社が掲載しているとき、どこへ問い合わせる?|買主側の会社選び
誰が買主の味方なのか?

同じ建売住宅を複数社が掲載しているとき、どこへ問い合わせる?|買主側の会社選び
大村市で新築建売住宅を探していると、SUUMOやアットホームなどで、同じ所在地・同じ間取り・同じ価格の住宅が複数の不動産会社から掲載されていることがあります。「物件が同じなら、どの会社へ問い合わせても同じではないか」と考えやすい場面ですが、住宅そのものが同じでも、問い合わせ先となる会社の立場、仲介手数料、物件調査、価格・条件交渉、住宅ローン支援、契約前の説明などが同じとは限りません。本章では、同じ建売住宅を複数社が掲載している理由を整理し、買主が問い合わせ先を選ぶ際に確認したい基準を解説します。
Q.同じ建売住宅を複数社が掲載している場合、どこへ問い合わせるべきですか?
結論
同じ建売住宅でも、どの不動産会社へ問い合わせるかによって、説明内容、調査範囲、価格・条件交渉、仲介手数料、住宅ローン支援、契約までのサポートが異なる場合があります。物件が同じだから窓口も同じと考えず、取引態様と買主支援の内容を比較して問い合わせ先を決めてください。
同じ建売住宅が複数社から掲載されるのはなぜ?
新築建売住宅を検索すると、同じ住宅が何社もの不動産会社から掲載されている場合があります。
必ずしも重複掲載や誤掲載という意味ではありません。
不動産取引では、
-
売主自身が広告する
-
売主から販売を依頼された不動産会社が広告する
-
購入希望者を探す仲介会社が広告する
など、複数の立場から同じ物件が紹介される場合があります。第6章の制作指示でも、「売主・元付・客付等の関係により複数社が広告する場合がある」とした上で、物件の同一性と仲介会社選びを分けて判断することが指定されています。
不動産実務では、売主から売却の媒介を受けている会社を「元付会社」、購入希望者を紹介する側を「客付会社」と呼ぶことがあります。
買主が覚えておきたいのは専門用語ではなく、
「広告を出している会社は、今回どの立場なのか」
という点です。
宅地建物取引業法第34条では、宅地建物取引業者が広告を行う場合、自ら売主となるのか、代理なのか、媒介なのかという「取引態様の別」を明示することが定められています。(国土交通省)
物件広告を見る際は、価格や間取りだけでなく「取引態様」の表示も確認してください。
物件そのものと不動産会社は別に評価する
たとえば、A社とB社が同じ新築建売住宅を掲載していたとします。
住宅そのものが同じなら、
-
所在地
-
土地面積
-
建物面積
-
間取り
-
建築年月
-
基本的な設備
-
売主が設定している販売価格
などは基本的に同一物件の情報です。
一方、不動産会社側については、
-
仲介手数料
-
調査内容
-
説明方法
-
物件比較
-
価格交渉
-
引渡し条件の交渉
-
住宅ローン支援
-
契約前資料の提供
-
契約後から引渡しまでの支援
などが異なる可能性があります。
つまり、
物件を選ぶことと、購入を依頼する会社を選ぶことは別の判断です。
広告写真がきれいだから、検索結果の一番上に表示されたから、最初に問い合わせフォームを見つけたからという理由だけで会社を決める必要はありません。
最初に「売主なのか仲介会社なのか」を確認する
問い合わせ前に最初に確認したいのが取引態様です。
同じ新築建売でも、
売主
住宅を所有している会社から直接購入します。
媒介する不動産会社が介在しなければ、媒介に対する仲介手数料が発生しない取引があります。
媒介・仲介
売主と買主の間へ不動産会社が入り、売買契約成立に向けた媒介業務を行います。
国土交通省は購入側の一般的な媒介業務として、物件紹介、媒介契約、売買相手との交渉、重要事項等の説明、売買契約、決済・引渡しなどを示しています。また、具体的な業務範囲は不動産会社や媒介契約によって異なる場合があるため、事前確認を求めています。(国土交通省)
売主直接だから良い、仲介だから悪いという話ではありません。
どの立場から、どのようなサービスを受ける取引なのかを理解することが先です。
仲介手数料の有無を確認する
同じ建売住宅を複数社が掲載している場合、買主が特に比較しやすい項目が仲介手数料です。
宅地建物取引業者が媒介によって売買契約を成立させた場合、依頼者から受け取れる報酬には国土交通大臣が定める上限があります。現行告示でも、売買の媒介について報酬額の上限が定められています。(国土交通省)
同じ物件で、
-
売主直接なら仲介手数料なし
-
A社では仲介手数料あり
-
B社では仲介手数料の割引あり
といった違いが生じる可能性があります。
ただし、第4章・第5章でも整理したように、仲介手数料だけで問い合わせ先を決めるのも十分とはいえません。
費用と同時に、
「何をしてもらえるのか」
を比較します。
問い合わせ前に確認したい7項目
同じ物件が複数社から掲載されている場合は、次の7項目で比較すると整理しやすくなります。
| 確認項目 | 買主が確認する内容 |
|---|---|
| 取引態様 | 売主・代理・媒介のどれか |
| 仲介手数料 | 買主負担の有無と金額 |
| 物件調査 | どの資料を確認し、何を説明するのか |
| 価格・条件交渉 | 売主へどこまで交渉するのか |
| 住宅ローン支援 | 金融機関紹介・事前審査等の支援範囲 |
| 契約前資料 | 重要事項説明書・契約書等を事前確認できるか |
| リスク説明 | メリットだけでなく注意点も説明するか |
※一般的な比較項目です。実際の取引内容や提供サービスは会社ごとに確認してください。
広告ページを見るだけでは分からない項目もあります。
問い合わせ時に、
「この物件を購入する場合、御社ではどこまで対応してもらえますか?」
と確認すると比較しやすくなります。
現地案内だけで会社を決める必要はない
「最初に内覧を案内してもらった会社から買わなければならないのではないか」と考える方もいます。
しかし、単に問い合わせや内覧を行ったという事実だけで、当然にその会社から購入しなければならないという意味ではありません。
一方で、媒介契約を締結している場合や、既に具体的な購入交渉が進んでいる場合などは、契約関係の確認が必要です。
買主が会社を比較する段階では、
-
対応の早さ
-
質問への具体的な回答
-
根拠資料の提示
-
デメリットの説明
-
費用説明
-
契約前の支援内容
などを確認してください。
担当者の人柄だけでも、会社の知名度だけでもなく、住宅購入に必要な業務を実際に行えるかを見ることが重要です。
複数社へ同時に同じ価格交渉を依頼しない
不動産会社を比較することと、複数社へ同時に購入交渉を依頼することは分けて考える必要があります。
たとえば同じ建売住宅について、
A社から「100万円値下げしてほしい」
B社からも「同じ買主が100万円値下げしてほしい」
と売主へ同時に話が入れば、売主側では交渉窓口が分からなくなる可能性があります。
第6章の制作指示でも、購入意思が固まった段階では交渉窓口を整理することが求められています。
複数社を比較する段階では、
「価格交渉は可能ですか?」
と確認する程度にとどめ、正式な購入申込みや具体的な条件交渉を行う段階では、一つの窓口へ整理した方が取引関係を明確にできます。
広告文ではなく「質問への回答」を比較する
同じ物件なら、広告内容も似たものになりやすくなります。
「日当たり良好」
「人気エリア」
「収納充実」
「新生活におすすめ」
といった広告文だけでは、不動産会社の調査力や説明力を判断することは困難です。
問い合わせをした際には、具体的に質問してください。
たとえば、
-
売主はどの会社ですか?
-
御社の取引態様は何ですか?
-
仲介手数料はいくらですか?
-
周辺の類似物件と比べて価格はどうですか?
-
接道やインフラについて何を確認していますか?
-
ハザード情報はどこで確認できますか?
-
契約前に重要事項説明書を確認できますか?
-
価格以外に交渉できそうな条件はありますか?
-
買主側に注意すべき点はありますか?
などです。
担当者が即答できない項目があること自体を問題視する必要はありません。
不明な事項を調査し、
根拠となる資料を示して回答できるか
を見る方が重要です。
住宅ローン支援も会社ごとに確認する
住宅購入では、物件だけでなく資金計画も重要です。
不動産会社によっては、
-
住宅ローンの基本説明
-
金融機関の紹介
-
事前審査の案内
-
必要書類の整理
-
決済日程の調整
などを支援する場合があります。
ただし、住宅ローンを実際に審査し、融資条件を決定するのは金融機関です。
不動産会社が、
「必ず借りられます」
「この金利で大丈夫です」
などと融資結果を保証することはできません。
住宅ローン支援についても、
「紹介してもらえるか」ではなく「どの範囲まで支援するのか」
を確認してください。
大村市で建売住宅を選ぶ場合の会社比較
大村市で住宅を探す場合は、物件価格や間取りだけでなく、
-
通勤先までの動線
-
学校区
-
車の保有台数
-
駐車スペース
-
周辺道路
-
将来の家族構成
-
建物と諸費用を含めた総予算
など、実際の生活に関係する項目を確認する必要があります。
同じ建売住宅を掲載している会社であっても、大村市周辺の生活環境について説明できる範囲に差が出る場合があります。
株式会社陸自不動産の購入者向けページでも、物件情報だけでなく、地域情報、資金計画、住宅ローン事前審査等の支援内容を案内しています。(株式会社陸自不動産)
物件そのものが同じ場合ほど、**「誰から買うか」ではなく「誰に購入手続きを支援してもらうか」**という比較が重要になります。
購入・相談を進めやすい条件
-
売主と取引態様が明確
-
仲介手数料などの費用が明確
-
物件調査の範囲を説明できる
-
根拠資料を提示できる
-
価格以外の条件も整理できる
-
契約前に書類を確認できる
-
デメリットや注意点も説明される
-
購入を急がせず質問時間を確保できる
一度立ち止まった方がよい条件
-
取引態様が分からない
-
仲介手数料を明確に説明しない
-
「今決めないと売れる」と根拠なく急がされる
-
質問しても資料が提示されない
-
デメリットへの質問を避ける
-
契約書類を事前確認できない
-
購入総額が分からない
-
会社を比較すること自体を強く止められる
会社選びに疑問が残る場合は、購入申込みを出す前に確認してください。
個別確認が必要な条件
-
既に媒介契約を締結している
-
複数社を通じて購入申込みを提出している
-
売主との条件交渉が既に進んでいる
-
権利関係に問題がある
-
契約解釈について法的判断が必要
-
登記上の確認が必要
-
税務判断が必要
-
融資審査や融資条件の判断が必要
法律問題は弁護士、登記は司法書士、税務は税理士、住宅ローン審査や融資条件は金融機関など、各専門分野で個別確認してください。
本章のまとめ
-
同じ建売住宅が複数の不動産会社から掲載される場合があります。
-
物件が同じでも、仲介手数料、調査、交渉、説明、契約支援は同じとは限りません。
-
問い合わせ前に「売主・代理・媒介」の取引態様を確認します。
-
不動産会社は広告文ではなく、質問への回答、根拠資料、支援内容で比較します。
-
購入意思が固まった段階では、同じ物件への交渉窓口を整理してください。
買主向けチェックリスト
-
□ 売主が誰なのか確認した
-
□ 広告会社の取引態様を確認した
-
□ 仲介手数料の有無と金額を確認した
-
□ 物件調査の範囲を確認した
-
□ 価格・条件交渉の対応範囲を確認した
-
□ 住宅ローン支援の内容を確認した
-
□ 重要事項説明書等を事前確認できる
-
□ デメリットについて質問した
-
□ 回答の根拠資料を確認した
-
□ 購入交渉を依頼する会社を整理した
Q&A
Q.同じ物件を複数社から内見してもよいですか?
会社を比較するために同一物件について複数社へ問い合わせる場面は考えられます。ただし、既に媒介契約を締結している場合や購入交渉が進んでいる場合は契約関係を確認してください。同じ物件を何度も内覧する必要があるかについても、目的を整理して判断します。
Q.最初に問い合わせた会社で買わなければいけませんか?
問い合わせをしただけで当然にその会社から購入しなければならないとは限りません。ただし、媒介契約を締結した場合や具体的な購入交渉を依頼している場合などは、契約内容の確認が必要です。
Q.掲載価格は会社によって違うことがありますか?
同じ売主が同じ条件で販売している物件なら、基本となる売出価格は同じ情報として広告されるのが通常ですが、掲載時期や価格改定の反映時期などによって表示差が生じる可能性があります。価格が異なる場合は売主側へ最新の販売条件を確認してください。
Q.仲介手数料無料の会社を選べばよいですか?
仲介手数料が不要または低額であれば、費用面では買主にメリットがあります。ただし、調査、条件交渉、契約前確認、引渡しまでの支援内容も合わせて比較してください。無料だから必ず最善、有料だから必ず優れているとは判断できません。
関連記事
仲介手数料を払う価値はある?|買主が不動産会社へ期待すべき業務を整理
第3テーマ・第5章では、仲介手数料を物件紹介料だけで判断せず、調査、条件交渉、契約支援、決済・引渡しなど、実際に提供される業務から価値を判断する考え方を解説しています。
※第5章の正式公開URLは、陸自不動産公式ブログへの掲載後に内部リンクを設定してください。
参考資料・公的機関
確認日:2026年8月31日
国土交通省「不動産の購入を検討される皆様へ(購入の媒介委託者用)」
購入側の一般的な媒介業務として、物件紹介、媒介契約、売買相手との交渉、重要事項等の説明、売買契約、決済・引渡しなどが示されています。具体的な媒介業務の範囲は契約内容によって異なる場合があります。(国土交通省)
国土交通省「宅地建物取引業法」
宅地建物取引業法第34条では、宅地建物取引業者が不動産広告を行う際に、売主・代理・媒介という取引態様の別を明示することが規定されています。(国土交通省)
国土交通省「宅地建物取引業法における報酬制度の概要」
売買・交換の媒介について、依頼者から受け取ることのできる報酬額の上限などを確認できます。(国土交通省)
国土交通省「消費者の皆様向け 不動産取引に関するお知らせ」
媒介契約、取引の流れなど、不動産を購入・売却する消費者向けの基本情報が掲載されています。(国土交通省)
相談案内
株式会社陸自不動産では、大村市周辺で新築建売、中古住宅、土地などを購入される方を対象として、物件比較、取引条件の整理、購入価格・諸費用の確認、住宅ローン事前審査の支援、契約前の確認事項整理などを行っています。
陸自不動産公式サイトでも、購入者向けに地域情報、資金計画、住宅ローン支援等を案内しています。(株式会社陸自不動産)
同じ建売住宅が複数社から掲載されている場合、
「どの会社が一番大きいか」ではなく、「買主として必要な情報と支援を受けられるか」
という基準で比較してください。
法律判断は弁護士、登記は司法書士、税務は税理士、住宅ローン審査・融資条件は金融機関など、専門分野については各担当者による個別確認が必要です。
著者紹介
小松野美貴哉
株式会社陸自不動産 代表取締役
陸上自衛隊勤務36年を経て不動産業界へ転身。住宅購入・売却、住宅ローン、相続、離婚、転勤など、不動産に関する問題へ実務家として対応しています。
住宅購入では、物件を紹介して契約へ誘導することだけではなく、買主が取引態様、費用、物件情報、契約条件を理解し、納得できる状態で購入判断を行うことを重視しています。
関連書籍
『ハウスメーカーと不動産屋の決定的な違いとは?』
住宅会社と不動産会社の役割や立場の違いを整理し、住宅購入者が営業担当者の説明だけに左右されず判断するための視点を扱った関連書籍です。
2026年8月31日時点でAmazonの商品ページを正確に特定できなかったため、誤ったASINは掲載していません。
Amazonで『ハウスメーカーと不動産屋の決定的な違いとは?』を検索
『売主目線で考える不動産売却戦略』
査定価格、売出価格、販売方法、価格交渉などを、売主側の視点から整理した関連書籍です。
『公務員はなぜマンション投資で狙われるのか?』
公務員や自衛官を対象とした投資マンション営業の仕組みや、契約前に確認したいリスクを扱った関連書籍です。
免責事項
本記事は、一般的な不動産取引および住宅購入に関する情報提供を目的としています。
同一物件を複数の不動産会社が広告する場合でも、売主との契約関係、取引態様、広告掲載の条件、媒介関係、仲介手数料、業務範囲などは個別案件によって異なります。
「元付」「客付」などの表現は一般的な不動産実務上の説明として使用しています。個々の取引における正式な契約関係は、取引態様、媒介契約書その他の資料で確認してください。
掲載内容は、購入判断、価格交渉、仲介手数料、住宅ローン審査、法律・税務上の結果などを保証するものではありません。
契約前には、宅地建物取引士、金融機関、司法書士、税理士、弁護士など、該当分野の専門家へ確認してください。
#大村市
#大村市不動産
#大村市住宅購入
#大村市建売住宅
#大村市新築住宅
#住宅購入
#家を買う
#買主
#不動産会社
#不動産仲介
#新築建売
#同じ建売複数社掲載
#建売どこに問い合わせる
#SUUMO同じ物件複数会社
#アットホーム同じ物件
#建売仲介会社選び方
#新築建売仲介手数料
#買主側仲介
#不動産会社選び
#陸自不動産