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④ 売主直売で仲介手数料0円なら本当に得?|住宅購入で比較すべき費用と支援内容

誰が買主の味方なのか?

売主直売で仲介手数料0円なら本当に得?|住宅購入で比較すべき費用と支援内容

大村市で新築建売住宅などを探していると、「売主直売・仲介手数料0円」という表示を見かけることがあります。数千万円の住宅を購入する際、仲介手数料が不要になる経済的メリットは決して小さくありません。一方、住宅購入で確認すべき項目は仲介手数料だけではありません。販売価格、諸費用、住宅ローン、契約条件、保証、引渡し条件、物件に関する調査などを含めて判断する必要があります。本章では、売主から直接購入する場合と仲介会社を利用する場合を比較し、買主が「安いかどうか」だけではなく「納得できる取引かどうか」を判断するための基準を整理します。

 

 

Q.売主直売で仲介手数料が無料なら、本当に得ですか?

結論

売主から直接購入し、仲介手数料が不要であれば、住宅取得時の支出を抑えられる明確なメリットがあります。ただし、販売価格、諸費用、契約条件、物件調査、価格交渉などを誰が確認するのかは別の問題です。仲介手数料の有無だけではなく、住宅購入総額と提供される支援内容を比較して判断してください。

 

仲介手数料が不要なら取得費用は下がる

まず明確にしておきたいのは、売主から直接購入することで仲介会社が介在せず、買主に仲介手数料が発生しない取引であれば、その分だけ住宅購入時の支出を抑えられるという点です。

住宅購入では、

  • 売買代金

  • 登記関係費用

  • 住宅ローン関係費用

  • 火災保険等

  • 税金

  • 仲介手数料

  • オプション工事

  • 引越し費用

など、物件価格以外にも支出が発生します。

仲介手数料が不要になるのであれば、買主にとって分かりやすい経済的メリットです。

宅地建物取引業者が売買の媒介によって依頼者から受け取る報酬には、宅地建物取引業法第46条に基づいて国土交通大臣が上限を定めています。仲介手数料は「必ず上限額を支払わなければならない費用」ではなく、媒介契約等に基づいて発生する報酬です。国土交通省は2024年7月1日以降の報酬制度についても公式資料を公開しています。

国土交通省「宅地建物取引業法における報酬制度の概要」

したがって、同じ住宅を同じ販売価格・同じ条件で購入でき、片方では買主の仲介手数料が不要、もう片方では仲介手数料が発生するのであれば、費用面だけを比較した場合は仲介手数料が不要な購入方法の方が買主の支出は少なくなります。

仲介会社を利用する理由を説明する場合にも、この費用差を無視するべきではありません。

 

仲介手数料0円だから「安全」「有利」とは限らない

一方、仲介手数料が無料であることと、購入条件全体が有利であることは同じではありません。

たとえば新築建売住宅を建築・販売している宅地建物取引業者から直接購入する場合、売主は住宅を販売する当事者です。

買主へ物件の説明を行う立場ではありますが、自社で所有する商品を販売している会社でもあります。

だからといって、売主の説明が信用できないという意味ではありません。

宅地建物取引業者が自ら売主となり一般の買主へ宅地や建物を販売する場合も、宅地建物取引業法第35条に基づき、契約成立前に宅地建物取引士による重要事項説明を行う必要があります。

国土交通省が示す重要事項説明書の様式でも、登記記録、法令上の制限、道路、上下水道、契約解除、手付金、契約不適合責任に関する措置など、購入判断に関係する項目が整理されています。

国土交通省「宅地建物取引業法 法令改正・解釈について」

つまり、

仲介会社がいない=重要事項説明が行われない

とは限りません。

売主が宅地建物取引業者であれば、売主自身にも法律上の説明義務があります。

買主が考えるべきポイントは、「仲介会社がいるか、いないか」だけではなく、購入判断に必要な情報を十分に確認できる状態になっているかです。

 

売主直売には費用以外のメリットもある

売主から直接購入する方法には、仲介手数料以外にも利点があります。

売主が建築会社や分譲会社の場合、建物について直接質問できる場合があります。

たとえば、

  • 建築仕様

  • 使用設備

  • 建築時期

  • 保証内容

  • アフターサービス

  • オプション工事

  • 引渡し時期

などについて、販売当事者から説明を受けられる可能性があります。

間に仲介会社を挟まないため、質問から回答までの経路が短くなる場合もあります。

したがって、

「仲介会社を利用しなければ危険」

という説明も適切ではありません。

売主直売には、費用と情報伝達の両面でメリットが生じる場合があります。

 

買主側で検証したい項目

売主から直接購入する場合、特に意識したいのが「買主自身で何を比較するか」です。

住宅購入では、少なくとも次の項目を確認してください。

販売価格

表示されている価格だけではなく、周辺の新築建売、中古住宅、土地価格などと比較します。

「仲介手数料0円だから安い」と考えるのではなく、物件価格そのものが妥当か確認します。

購入総額

住宅本体価格だけでは判断できません。

  • 登記費用

  • 住宅ローン関係費用

  • 火災保険

  • オプション工事

  • 外構関係

  • 家具・家電

  • 引越し

  • その他必要経費

まで含めて確認します。

契約条件

売買契約書や重要事項説明書では、

  • 手付金

  • 契約解除

  • 違約金

  • 引渡し時期

  • 住宅ローン特約

  • 契約不適合責任

  • 設備

  • 保証

などを確認します。

住宅ローン特約

住宅ローンを利用する場合は、融資が承認されなかった場合の契約上の取扱いを確認します。

金融機関、借入予定額、申込期限、解除条件など、契約内容を読んだ上で判断してください。

保証・アフターサービス

「保証付き」という言葉だけではなく、

  • 誰が保証するのか

  • 何年間なのか

  • 対象箇所はどこか

  • 対象外となる項目は何か

  • 不具合発生時の連絡先

まで書面で確認します。

仲介会社を入れる価値は「実際の業務内容」で判断する

仲介手数料を支払う場合、買主として確認したいのは、

「仲介会社は具体的に何をしてくれるのか」

という点です。

単にインターネット上に掲載されている建売住宅を紹介し、現地へ案内するだけであれば、買主が仲介手数料の価値を感じにくい場合もあるでしょう。

一方、

  • 周辺物件との価格比較

  • 取引条件の整理

  • 売主への質問

  • 物件資料の確認

  • 買主が気付いていない確認項目の抽出

  • 購入申込みの条件整理

  • 価格・引渡し条件等の交渉

  • 契約前の書類確認

  • 住宅ローン関連の手続支援

  • 回答内容の文書化

などを実際に行うのであれば、買主にとって仲介会社を利用する意味が生じます。

重要なのは、

「仲介会社を入れた方が必ず安心」でも、「仲介手数料0円が必ず正解」でもありません。

支払う費用と提供される業務を比較します。

売主直売と仲介購入を比較する

比較項目 売主から直接購入 仲介会社を利用
仲介手数料 媒介がなければ原則として発生しない 媒介契約等に基づき発生する場合がある
売主との連絡 直接行える場合が多い 仲介会社を経由する場合がある
建物の説明 売主から直接確認できる 売主確認を仲介会社経由で行う場合がある
他物件との比較 買主自身で行う必要がある場合がある 仲介会社が比較支援する場合がある
条件交渉 買主自身で行う 仲介会社へ依頼できる場合がある
契約条件整理 買主自身でも確認が必要 仲介会社による確認支援の有無を確認
費用 仲介手数料分を抑えられる場合がある 仲介手数料を含めた総額確認が必要
最終判断 買主 買主

※一般的な比較です。売主・仲介会社・物件・媒介契約等によって業務内容は異なります。

 

 

仲介手数料ではなく「住宅購入総額」で比べる

住宅購入では、仲介手数料だけを切り離して比較しない方が判断しやすくなります。

たとえば、

A案
売主直接購入
仲介手数料なし
オプション工事あり

B案
仲介会社利用
仲介手数料あり
条件交渉や購入支援あり

という場合、仲介手数料だけではどちらが適しているか判断できません。

比較するべきなのは、

物件価格+諸費用+オプション+住宅ローン関係費用+購入後に必要となる支出

です。

さらに、金額では表しにくい契約条件や保証内容も確認します。

大村市で住宅を購入する場合には、車を複数台保有する家庭も多いため、駐車場増設、カーポート、外構、物置などが必要になる場合もあります。

表示価格だけではなく、実際に生活を始めるまでに必要となる総額を確認してください。

 

大村市で同じ建売住宅を複数社が広告している場合

新築建売住宅では、同じ物件が売主会社と複数の仲介会社から広告されている場合があります。

買主は広告を見た段階で、

  • 売主は誰か

  • 広告会社の取引態様は何か

  • 仲介手数料は必要か

  • 購入条件に違いはあるか

  • 仲介会社を利用した場合の支援内容は何か

を確認してください。

同じ住宅、同じ販売価格、同じ契約条件で、売主から直接購入すれば仲介手数料が不要になるのであれば、費用面では売主直接購入に明確なメリットがあります。

一方、仲介会社を利用する場合には、その費用に見合う調査、比較、条件整理、交渉などが実際に提供されるのか確認する必要があります。

 

購入・相談を進めやすい条件

  • 売主と取引態様を確認できている

  • 仲介手数料の有無と金額が明確

  • 購入総額を把握できている

  • 契約条件を書面で確認できている

  • 保証内容を確認できている

  • 不明点への回答と根拠資料が確認できる

  • 直売と仲介の支援内容を比較できている

一度立ち止まった方がよい条件

  • 「仲介手数料0円だから絶対得」と費用だけで判断している

  • 物件価格の比較をしていない

  • 諸費用総額が分からない

  • 契約書を十分確認していない

  • 住宅ローン特約が理解できていない

  • 保証対象・保証期間が分からない

  • 「今日契約してください」など判断を急がされている

  • 質問への回答を書面で確認できない

仲介手数料が無料でも、不明点が残っているのであれば契約を急ぐ必要はありません。

個別確認が必要な条件

  • 権利関係に問題がある

  • 特殊な契約特約がある

  • 法的解釈が必要

  • 登記上の判断が必要

  • 税務上の判断が必要

  • 住宅ローン審査・融資条件の確認が必要

  • 土地や建物に特殊な法令制限がある

法律問題は弁護士、税務は税理士、登記は司法書士、融資審査・条件は金融機関など、各専門分野へ確認してください。

本章のまとめ

  • 売主直売で仲介手数料が不要なら、購入時の支出を抑えられる明確なメリットがあります。

  • 仲介手数料0円と、物件価格・契約条件が有利であることは別に確認します。

  • 売主が宅地建物取引業者なら、直接販売でも重要事項説明など宅建業法上の義務があります。

  • 仲介会社を利用する価値は、紹介だけではなく調査・比較・条件整理・交渉などの実際の業務で判断します。

  • 最終的には仲介手数料単体ではなく、住宅購入総額と契約条件を比較してください。

買主向けチェックリスト

  • □ 売主が誰なのか確認した

  • □ 広告会社の取引態様を確認した

  • □ 仲介手数料の有無を確認した

  • □ 住宅購入総額を確認した

  • □ 周辺物件と販売価格を比較した

  • □ 重要事項説明書を確認した

  • □ 売買契約書を確認した

  • □ 住宅ローン特約を確認した

  • □ 保証内容を書面で確認した

  • □ 仲介会社を利用する場合の業務内容を確認した

 

 

Q&A

Q.売主直売なら必ず仲介手数料0円ですか?

売主自身から直接購入し、媒介を行う宅地建物取引業者が介在しない取引であれば、媒介に対する仲介手数料は通常発生しません。ただし、広告上の取引態様や契約内容、別途発生する費用について契約前に確認してください。

 

Q.仲介会社を入れると物件価格が高くなりますか?

仲介会社を利用しただけで売買価格そのものが高くなるとは限りません。ただし、買主に仲介手数料が発生する場合は、住宅取得時の総支出はその分増えます。物件価格と諸費用を分けて比較してください。

 

Q.同じ建売なら直売と仲介のどちらを選ぶべきですか?

同じ物件・同じ価格・同じ契約条件で、売主直接購入なら仲介手数料が不要になる場合、費用面では直売が有利です。一方、仲介会社を利用する場合は、物件比較、調査、条件整理、交渉など、支払う費用に見合う支援が提供されるかを確認して判断してください。

 

Q.買主側の仲介会社には何を依頼できますか?

物件比較、資料確認、売主への質問、購入申込み、価格や引渡し条件の交渉、契約条件の整理などが考えられます。ただし、実際の業務範囲は不動産会社や媒介契約によって異なるため、依頼前に確認してください。

 

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第3テーマ・第3章では、売主側仲介、買主側仲介、双方へ関与する場合など、不動産会社の取引上の立場を整理しています。

※第3章の正式公開URLは2026年8月31日時点では検索結果へ反映されていないため、陸自不動産公式ブログへの掲載後、正式URLを内部リンクとして設定してください。

 

 

 

参考資料・公的機関

確認日:2026年8月31日

国土交通省「宅地建物取引業法における報酬制度の概要」

宅地建物取引業者が売買・交換の媒介、代理について依頼者から受けることができる報酬額の上限と、2024年7月1日からの制度を確認できます。

URL:
国土交通省「宅地建物取引業法における報酬制度の概要」

国土交通省「宅地建物取引業法 法令改正・解釈について」

2026年4月1日以降の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」や重要事項説明関係資料を確認できます。

URL:
国土交通省「宅地建物取引業法 法令改正・解釈について」

国土交通省「重要事項説明(売買・交換)」

重要事項説明書に記載される登記、法令上の制限、インフラ、契約解除、手付金、契約不適合責任等の基本項目を確認できます。

URL:
国土交通省「重要事項説明(売買・交換)」

国土交通省「消費者の皆様向け 不動産取引に関するお知らせ」

不動産購入時の重要事項説明やオンラインでの重要事項説明など、消費者向け情報を確認できます。

URL:
国土交通省「不動産取引に関するお知らせ」

 

 

相談案内

株式会社陸自不動産では、大村市周辺で新築建売、中古住宅、土地などを購入される方を対象として、物件比較、販売条件の整理、購入価格と諸費用の確認、仲介手数料を含めた住宅購入総額の整理、契約前の確認事項などをサポートしています。

仲介会社を利用する意味は、単に物件を紹介することだけではありません。

買主が支払う費用に対して、どのような業務を提供できるのか。

陸自不動産では、その点も明確に説明した上で、買主自身が直売・仲介を比較できる状態を重視しています。

仲介手数料を支払う購入方法が常に最善とは限りません。

同じ物件を売主から直接購入でき、仲介手数料を支払わずに必要な確認が十分できるのであれば、売主直接購入が合理的な選択となる場合もあります。

一方、物件比較、取引条件整理、買主側からの質問や交渉などに支援が必要な場合には、仲介会社を利用する価値を業務内容から判断してください。

法律判断は弁護士、税務は税理士、登記は司法書士、融資審査・融資条件は金融機関など、専門分野については各担当者による個別確認が必要です。

 

 

 

 

著者紹介

小松野美貴哉
株式会社陸自不動産 代表取締役

陸上自衛隊勤務36年を経て不動産業界へ転身。住宅購入・売却、住宅ローン、相続、離婚、転勤などの不動産問題に実務家として対応しています。

住宅購入では「仲介会社を利用させること」を目的とせず、買主が費用、物件、契約条件、支援内容を比較し、納得できる方法を選択できる取引を重視しています。

 

関連書籍

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陸自不動産公式ブログでも書籍紹介記事を掲載しています。

陸自不動産公式ブログ「公務員は最高のカモ?投資マンション業者が仕掛ける罠とは?」

 

 

 

免責事項

本記事は、一般的な不動産取引および住宅購入に関する情報提供を目的としています。

「売主直売」「仲介手数料0円」等の扱いは、実際の取引態様、媒介契約、売主・買主の属性、契約内容などによって異なる場合があります。

仲介手数料が不要であることは購入費用を抑える一つの要素ですが、特定の購入方法が常に有利、安全または適切であることを示すものではありません。

物件の状態、契約条件、保証、金融機関の審査、法令、税制などによって個別判断は異なります。掲載内容は、購入判断、価格交渉、住宅ローン審査、法律・税務上の結果その他の成果を保証するものではありません。

契約前には、宅地建物取引士、金融機関、司法書士、税理士、弁護士など、該当分野の専門家へ確認してください。

 

 

 

 

 

 

 

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