⑥ 不動産を売ると税金はいくらかかる?|譲渡所得税の基本
大村市で家を売ったら手元にいくら残る?|仲介手数料・税金・住宅ローン・諸費用・手取り額を徹底解説

第6章|不動産を売ると税金はいくらかかる?|譲渡所得税の基本
家を売ったら、必ず税金がかかるのでしょうか。3,000万円で売れた場合、3,000万円全体に税率を掛けるのでしょうか。また、家を購入したときの価格や売却時の仲介手数料は、税金の計算に関係するのでしょうか。不動産売却時の税金は、売却価格だけで決まるものではありません。取得費、譲渡費用、所有期間、居住用財産の特例などを確認して計算します。本章では、大村市で家や土地の売却を検討している方へ、税金の基本構造と手取り額への影響を分かりやすく解説します。
初めに結論
不動産を売却しても、売却価格そのものに一律で税金がかかるわけではありません。
一般には、売却代金から取得費や譲渡費用などを差し引いて譲渡所得を計算し、特別控除を適用できる場合は、控除後の課税譲渡所得金額に対して所得税・復興特別所得税・住民税を計算します。
したがって、3,000万円で家を売ったという情報だけでは、税額は判断できません。
実際の税額は、購入価格、購入時の諸費用、建物の減価償却、売却時の費用、所有期間、居住状況、相続の有無、特例の適用条件などで変わります。個別の税額計算や特例の適用判断については、税理士または所轄税務署への確認が必要です。
売却価格と譲渡所得は同じではない
不動産売却時の税金を考えるうえで重要なのは、売却価格と課税対象となる金額を分けて考えることです。
一般的な計算の基本は、次のとおりです。
譲渡価額-取得費-譲渡費用=譲渡所得の基本部分
特別控除を適用できる場合は、さらに控除額を差し引きます。
課税譲渡所得金額=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額
税率を掛ける対象は、原則として売却価格ではなく課税譲渡所得金額です。土地や建物の譲渡所得は、給与所得などと分けて計算する分離課税の対象となります。
国税庁も、土地や建物の譲渡所得は、売却金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算すると案内しています。国税庁「譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」
取得費とは不動産を取得するために要した費用
取得費には、売却する土地・建物の購入代金や建築代金、購入手数料、設備費、改良費などが含まれる場合があります。
購入時に支払った登録免許税、不動産取得税、印紙税、仲介手数料なども、物件の利用状況や支出内容により取得費として扱われる可能性があります。
ただし、建物の取得費は購入代金や建築代金をそのまま使用するわけではありません。所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算します。国税庁「取得費となるもの」
売却前に、次の資料を探しておくことが重要です。
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購入時の売買契約書
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建築請負契約書
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購入代金の領収書や振込記録
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購入時の仲介手数料の領収書
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登記費用や税金に関する資料
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増改築や設備工事の契約書・領収書
取得費として認められる範囲は個別事情で異なるため、不動産会社が税務上の扱いを断定することはできません。資料を整理したうえで税理士等へ確認してください。
取得費が分からない場合の注意点
相続した家や、長期間所有している土地では、購入時の契約書が見つからない場合があります。
国税庁は、取得費が分からない場合や、実際の取得費が売却価格の5%を下回る場合、売却価格の5%相当額を概算取得費として計算できる旨を案内しています。
ただし、概算取得費を使用すると、実際の購入価格より取得費が小さくなり、課税譲渡所得金額が大きくなる可能性があります。
契約書が見つからなくても、通帳の記録、住宅ローン資料、当時の販売資料、建築関係書類などから取得価額を確認できる可能性があります。資料を自己判断で除外せず、税理士へ相談することが大切です。
譲渡費用とは売却に直接要した費用
譲渡費用とは、土地や建物を売るために直接要した費用です。
代表的な費用として、次の項目が挙げられます。
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売却時の仲介手数料
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売買契約書に貼付した印紙代のうち売主負担分
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売却に必要となった測量費
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借家人等へ支払った立退料
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建物を取り壊して土地を売る場合の解体費用
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売買契約を有利な条件へ変更するために支払った違約金など
一方、売却前に支払った費用がすべて譲渡費用になるわけではありません。建物の修繕費、固定資産税、日常的な維持管理費などは、一般に譲渡費用には含まれません。
残置物処分費や境界関係費用なども、支出の目的や売買条件によって税務上の扱いが異なる可能性があります。領収書を保管し、売却との関係を説明できる状態にしておきましょう。
所有期間によって税率が変わる
土地や建物の譲渡所得は、所有期間によって長期譲渡所得と短期譲渡所得に分けられます。
判定日は売却日ではなく、売却した年の1月1日です。
| 区分 | 所有期間の判定 | 所得税 | 住民税 |
|---|---|---|---|
| 長期譲渡所得 | 売却した年の1月1日時点で5年超 | 15% | 5% |
| 短期譲渡所得 | 売却した年の1月1日時点で5年以下 | 30% | 9% |
2026年分については、所得税に加えて基準所得税額の2.1%に相当する復興特別所得税も申告・納付します。一般的な合計税率の目安は、長期譲渡所得が20.315%、短期譲渡所得が39.63%です。
ただし、税率を掛ける対象は売却価格ではなく課税譲渡所得金額です。居住用財産の軽減税率などを利用できる場合は、税率が変わる可能性があります。国税庁「土地や建物を売ったとき」
たとえば、2021年7月に取得した家を2026年8月に売却した場合、売却日までの経過期間は5年を超えます。しかし、2026年1月1日時点の所有期間は5年以下であるため、原則として短期譲渡所得に該当します。
3,000万円で家を売った場合の税金はいくらか
売却価格3,000万円という情報だけでは、税額を計算できません。
税額を確認するためには、少なくとも次の情報が必要です。
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土地・建物の取得費
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建物の減価償却費相当額
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売却時の譲渡費用
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売却した年の1月1日時点の所有期間
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売却による利益の有無
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居住用財産の特例を利用できるか
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相続や贈与で取得した不動産か
「3,000万円で売れた」という売却価格と、「3,000万円特別控除」は別の数字です。売却価格が3,000万円だから自動的に税金がゼロになるわけではありません。
反対に、売却価格が3,000万円を超えていても、要件を満たせば3,000万円特別控除を利用できる可能性があります。
マイホームの3,000万円特別控除には要件がある
自分が住んでいる家や敷地を売却した場合、一定の要件を満たせば、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。
以前住んでいた家でも、売却時期などの要件を満たせば対象となる可能性があります。国税庁「過去に居住していたマイホームを売ったとき」
ただし、特例は自動的に適用されません。確定申告が必要となり、売買相手との関係、居住実態、転居時期、過去の特例利用歴なども確認されます。
住宅ローン控除や他の特例と併用できない場合もあるため、売却契約を締結する前に税理士または税務署へ確認することが重要です。
相続した不動産は取得時期と取得費を引き継ぐ
相続した土地や建物を売却する場合、原則として、被相続人が取得した時期と取得費を相続人が引き継ぎます。
相続した日から所有期間を数えるとは限りません。被相続人が取得した日から、相続人が売却した年の1月1日までの期間で長期・短期を判定します。国税庁「相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期」
相続税を納付している場合は、一定の要件を満たすことで相続税額の一部を取得費へ加算できる特例もあります。また、被相続人が居住していた空き家には、別の特別控除を検討できる場合があります。
相続不動産は取得資料が残っていないケースも多いため、既存の「相続不動産シリーズ」も併せてご確認ください。
税金は最終的な手取り額に影響する
不動産売却後の手取り額は、次のような考え方で整理します。
売却代金
-住宅ローン返済額
-仲介手数料
-登記・契約関係費用
-測量・解体・残置物処分等の個別費用
-税金等
=最終的な手取り額の目安
所得税等は、決済時に売却代金から全額が自動的に差し引かれるとは限りません。売却した翌年の確定申告や、その後の住民税の納付により負担が生じる場合があります。
売却直後の口座残高を最終的な手取り額と考えて資金を使ってしまうと、納税資金が不足するおそれがあります。税金が発生する可能性がある場合は、申告・納付時期を確認し、必要な資金を確保しておくことが大切です。
大村市で家を売る場合も税金の基本は全国共通
大村市の家や土地を売却する場合も、譲渡所得に関する基本的な税制は全国共通です。大村市独自の譲渡所得税率が適用されるわけではありません。
一方、物件価格、建物の状態、測量や解体の必要性、住宅ローン残高などは物件ごとに異なります。大村市の不動産を売却するときも、売却価格だけではなく、税金を含めた最終的な手取り額を確認する必要があります。
税金について売却前に確認したい項目
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不動産を取得した時期
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購入時の売買契約書
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購入代金を確認できる資料
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購入時の諸費用に関する資料
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売却時に発生する費用
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売却した年の1月1日時点の所有期間
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自宅として使用していたか
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相続や贈与による取得か
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利用できる可能性がある特例
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住宅ローン控除等との併用関係
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税理士や税務署へ確認する事項
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納税資金として確保する金額
資料を売却前から整理しておけば、税額の概算を確認しやすくなり、売却価格や売却時期を検討する材料にもなります。契約後に資料を探すより、売却相談と並行して準備する方が資金計画を立てやすくなります。
よくある質問
Q.家を売ると必ず税金がかかりますか?
必ず課税されるわけではありません。売却代金から取得費や譲渡費用を差し引き、譲渡所得が生じるかを確認します。特例によって課税譲渡所得金額がゼロになる場合もありますが、特例の利用には確定申告が必要となる場合があります。
Q.3,000万円で売却すると税金はいくらですか?
売却価格3,000万円という情報だけでは判断できません。取得費、譲渡費用、所有期間、建物の減価償却、特例の適用条件などが税額へ影響します。根拠資料を整理したうえで個別計算が必要です。
Q.家を買ったときの金額は税金計算に関係しますか?
購入代金は取得費の基礎となるため、税金計算に関係します。ただし、建物部分は減価償却費相当額を差し引きます。購入代金をそのまま取得費として使用できるとは限りません。
Q.仲介手数料は税金計算に関係しますか?
売却のために支払った仲介手数料は、一般に譲渡費用へ含まれます。媒介契約書や領収書を保管してください。売却前後に支払った費用がすべて譲渡費用になるわけではありません。
Q.所有期間によって税金は変わりますか?
長期譲渡所得と短期譲渡所得では税率が異なります。判定基準は売却した年の1月1日時点です。単純に売却日まで5年間所有していたかだけで判断しないよう注意してください。
Q.相続した家を売る場合も税金がかかりますか?
譲渡所得が生じれば課税される可能性があります。原則として、被相続人の取得時期と取得費を引き継いで計算します。相続税の取得費加算や空き家の特例を利用できる場合もあるため、売却前に専門家へ確認してください。
Q.売却前に税額を確認できますか?
必要資料がそろえば、売却前でも概算を検討できます。想定売却価格、取得費、譲渡費用、所有期間、居住状況、特例の候補を整理してください。税額の確定は税理士または税務署へ確認する必要があります。
関記事
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第1章|不動産売却費用の全体像
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第2章|不動産売却の仲介手数料
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第3章|住宅ローン残高と手取り額
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第5章|測量・解体・残置物等の個別費用
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第7章|相続・離婚・住み替えと売却後資金
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第9章|売却前の手取り額計算
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相続不動産シリーズ|相続した家・土地を売るときの流れと注意点
売却価格と費用を整理してから税務相談へ
株式会社陸自不動産では、大村市の不動産売却について、想定売却価格、住宅ローン残高、仲介手数料、登記・契約関係費用、物件ごとの追加費用を整理し、手取り額を考えるための土台づくりをお手伝いします。
税額の計算や特例の適用判断、確定申告は行いませんが、売却資金を整理したうえで、税理士や税務署へ確認すべき項目を切り分けることは可能です。
売るかどうか決まっていない段階でも、売却後に残る資金を把握したい方は、状況整理からご相談いただけます。
免責事項
本記事は、不動産売却時の税金に関する一般的な情報を提供するものであり、個別の税務判断や税務相談を目的とするものではありません。取得費、譲渡費用、譲渡所得、税額、特例の適用可否、申告の要否は、売主の状況、物件、契約内容、売却時期等によって異なります。
個別の税額計算、特例の適用判断、確定申告については、税理士または所轄税務署へご確認ください。税制改正等により内容が変更される可能性があるため、国税庁等の最新情報も併せてご確認ください。
本記事は、売却価格、税額、売却期間、成約、最終的な手取り額等を保証するものではありません。
参考情報
※税制情報は2026年8月26日時点で確認しています。
執筆者情報
株式会社陸自不動産
代表取締役 小松野美貴哉
宅地建物取引士・おうち売却の達人
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