① 住宅ローンの返済が苦しくなったら最初に何を確認する?
住宅ローンの返済が苦しくなったら最初に何を確認する?

住宅ローンを組んだ当初は無理なく返済できていても、収入の減少、離職、転職、休職、教育費の増加、物価上昇、ボーナスの減額などにより、毎月の負担が重く感じられる場合があります。まだ滞納していなくても、「今後も払い続けられるだろうか」と不安になる人は少なくありません。しかし、返済が苦しくなったからといって、直ちに自宅売却や任意売却を決める必要があるとは限りません。最初に行うべきなのは、解決方法を急いで選ぶことではなく、返済額、住宅ローン残高、家計、滞納状況、今後の収支見通しを整理し、自分が置かれている状況を正確に把握することです。
住宅ローンの返済が苦しくなったら、最初に何を確認すればよいですか?
初めに結論
住宅ローンの返済が苦しくなった場合は、最初から売却や任意売却を決めず、毎月の返済額、現在の住宅ローン残高、世帯の収入と支出、滞納の有無、今後6~12か月程度の収支見通しを整理します。返済条件に関する相談先は借入先金融機関、自宅の市場価格や売却可能性を調べる相談先は不動産会社です。返済方法の変更や売却方法は、契約内容、審査、残債、市場価格などで異なるため、個別資料を確認せず一律には判断できません。
最初に確認する6つの項目
1.毎月の住宅ローン返済額
毎月払いとボーナス払いを分けて確認します。「毎月いくら引き落とされているか」だけでなく、ボーナス月の増額分や返済期日も整理してください。
主な確認資料として、返済予定表、金銭消費貸借契約書、通帳・口座履歴、金融機関の返済状況確認画面などがあります。資料の名称や確認方法は金融機関や住宅ローン商品によって異なります。
2.現在の住宅ローン残高
確認すべき金額は、当初の借入額ではなく、現時点で残っている住宅ローン残高です。
返済予定表、残高証明書、金融機関の残高照会など、借入先が提供する情報で確認してください。過去の借入額や返済年数だけから現在の残高を推測する方法は正確ではありません。
3.現在の収入
給与、事業収入、年金など、世帯に入る収入を整理します。給与明細に記載された額面金額と、税金や社会保険料などが差し引かれた手取り額は分けて考える必要があります。
「年収が一定額以上なら返済できる」と一律に判断することはできません。家族構成、生活費、他の借入れなどによって、実際に返済へ回せる金額が異なるからです。
4.毎月の支出
住宅ローンだけではなく、家計全体を確認します。
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食費・水道光熱費・通信費
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教育費
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自動車ローン・維持費
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保険料
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クレジットカードの支払い
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住宅ローン以外の借入返済
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固定資産税
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修繕費や住宅関連費
1か月だけでは把握しにくい支出もあるため、通帳やカード明細を数か月分確認すると、家計の傾向を整理しやすくなります。特定の返済比率だけを安全基準として扱わないことも重要です。
5.滞納や引落し遅延の有無
返済日、引落し口座の残高、実際の引落し結果、金融機関から届いた通知を確認します。
滞納している場合でも、「何か月後に必ず競売になる」「一定期間までは問題ない」と一律には判断できません。契約内容、債権者、通知内容、手続の進行状況が個別に異なるからです。通知が届いている場合は放置せず、書面を手元に準備して借入先金融機関へ確認してください。
6.今後6~12か月程度の収支見通し
現在払えているかだけでなく、今後の変化も整理します。
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収入回復の見込み
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ボーナス支給の有無
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転職・退職・休職の予定
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教育費や介護費の増加
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自動車購入や修繕などの大きな支出予定
雇用契約や支給通知などで確認できる事実と、まだ確定していない見込みは分けて記録してください。将来の収入や景気を断定的に予測することはできません。
住宅ローン返済が苦しくなったときの初期確認表
| 確認項目 | 確認する内容 | 主な確認資料 | 分からない場合 |
|---|---|---|---|
| 毎月返済額 | 毎月払い・ボーナス払い | 返済予定表・口座履歴等 | 借入先金融機関へ確認 |
| ローン残高 | 現在の残債 | 残高照会・残高証明書等 | 借入先金融機関へ確認 |
| 収入 | 手取り収入・収入の変化 | 給与明細・事業収支資料等 | 世帯収入を整理 |
| 支出 | 固定費・変動費 | 通帳・カード明細等 | 数か月分を確認 |
| 滞納状況 | 未払い・遅延の有無 | 口座履歴・金融機関の通知 | 借入先金融機関へ確認 |
| 今後の見通し | 収入・支出の変化 | 雇用・家計関係資料等 | 確定事項と見込みを分ける |
掲載資料は代表例です。勤務形態、金融機関、契約内容によって必要資料は異なります。
金融機関へ相談する意味
住宅金融支援機構は、返済に困っている利用者向けに返済方法変更メニューを案内し、具体的な相談・申請は返済中の金融機関へ連絡するよう案内しています。
ただし、返済方法変更には審査があります。希望した変更が必ず認められるわけではなく、変更内容によっては総返済額が増える場合もあります。住宅金融支援機構以外の住宅ローンについては、利用できる制度や条件が各金融機関・契約で異なるため、借入先へ直接確認してください。
自宅の市場価格を確認する意味
自宅を売却した場合に住宅ローンを整理できる可能性があるか判断するには、現在のローン残高と自宅の市場価格を確認する必要があります。
ただし、「査定価格が住宅ローン残高を上回ったから完済できる」とは限りません。仲介手数料、登記関係費用、契約条件に応じた費用など、売却時に必要となる諸費用も考慮する必要があります。
第1章の段階では、任意売却を前提にするのではなく、通常売却で整理できる可能性があるかを確認することが先です。
誰に何を相談するのか
| 相談先 | 主な相談内容 |
|---|---|
| 金融機関・債権者 | 返済条件、返済方法変更、債権者としての判断 |
| 不動産会社 | 市場価格、価格査定、売却諸費用、販売方法 |
| 弁護士等 | 債務整理、法的紛争、複数債務、法的代理 |
| 司法書士 | 抵当権抹消を含む登記手続 |
| 税理士 | 不動産譲渡などに関する個別の税務判断 |
不動産会社は、不動産価格や売却方法を整理する立場です。金融機関の審査、法律判断、登記申請、税務判断を代行する立場ではありません。
売却を決める前の確認チェック
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毎月払いとボーナス払いを分けて確認した
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現在の住宅ローン残高を確認した
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世帯の手取り収入を整理した
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数か月分の支出を確認した
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滞納や引落し遅延の有無を確認した
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金融機関から届いた通知を確認した
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今後6~12か月程度の収支見通しを整理した
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返済条件は借入先金融機関へ確認した
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自宅の市場価格は不動産会社へ確認した
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売却諸費用を含めて検討した
よくある質問
Q.まだ滞納していなくても金融機関へ相談できますか?
返済が難しくなる見込みがある場合は、借入先へ事情を伝え、相談可能な内容を確認してください。実際の対応や申請手続は、金融機関と契約内容によって異なります。
Q.住宅ローン残高はどこで確認できますか?
返済予定表、残高証明書、インターネット上の残高照会などが代表的です。確認方法が分からない場合は、借入先金融機関へ問い合わせてください。
Q.ボーナス払いだけが苦しい場合はどうすればよいですか?
最初にボーナス返済額と今後の支給見込みを整理し、返済方法の変更が相談できるか借入先へ確認します。変更の可否や条件は審査・契約によって異なります。
Q.住宅ローンの返済条件は変更できますか?
返済方法変更の仕組みを設けている金融機関等はありますが、必ず承認されるとは限りません。必要書類、審査内容、変更後の返済額や総返済額を確認する必要があります。
Q.返済が苦しい場合、すぐに家を売った方がよいですか?
一律には判断できません。返済状況、家計、残債、市場価格、売却諸費用を整理したうえで、金融機関と不動産会社へ相談してください。
Q.家を売れば住宅ローンを完済できるか、どのように調べますか?
住宅ローン残高を金融機関へ確認し、不動産会社の査定によって市場価格を把握します。売却価格だけではなく、売却諸費用を差し引いた金額で検討します。
Q.住宅ローン以外にも借入れがある場合は誰に相談すればよいですか?
各借入先への確認に加え、返済継続が難しい場合や債務整理の判断が必要な場合は、弁護士等の法律専門家への相談を検討してください。
関連記事
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第9弾・第2章「まだ滞納していなくても相談すべき?|早期相談の意味」
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第9弾・第3章「住宅ローン残高と現在の市場価格を確認する」
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第2弾「住宅ローン残債・オーバーローン」
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第8弾「不動産売却の費用・税金・手取り額」
※関連記事のURLは、公開時に実際の掲載ページへ設定してください。
株式会社陸自不動産へ相談できる内容
住宅ローン返済に不安を感じても、最初から売却方法を決める必要はありません。
返済条件は借入先金融機関へ確認し、自宅の市場価格や通常売却の可能性は不動産会社へ確認します。株式会社陸自不動産では、大村市を中心とした不動産の価格査定、売却諸費用の整理、販売方法の検討など、不動産売却に関する部分を支援します。
免責事項
本記事は、住宅ローン返済および不動産売却に関する一般的な情報提供を目的としており、個別の金融・法律・登記・税務上の判断を行うものではありません。返済条件、滞納状況、債権者の対応、抵当権、法的手続などは、契約内容や個別事情によって異なります。返済条件は借入先金融機関、法律問題は弁護士等、登記は司法書士、税務は税理士へ確認してください。不動産の市場価格や売却方法については、不動産会社による個別調査が必要です。
参考情報
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独立行政法人住宅金融支援機構「月々の返済でお困りになったとき」
返済方法変更メニュー、審査、相談・申請手続、総返済額が増える可能性を確認。更新日:2026年4月1日。確認日:2026年8月27日。 -
独立行政法人住宅金融支援機構「返済方法の変更を希望するとき」
返済方法変更の例、相談、申請、審査、契約の流れを確認。確認日:2026年8月27日。 -
金融庁「金融サービス利用者相談室」
金融機関との個別トラブルに関する論点整理や相談先案内の範囲、あっせん・仲介・調停を行わない点を確認。確認日:2026年8月27日。
執筆者情報
株式会社陸自不動産
代表取締役 小松野美貴哉
大村市を中心に、不動産の価格査定、売却方法、販売戦略、売却諸費用など、不動産売却に関する実務を支援しています。
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