⑨ 築古住宅を売る前に何を調査する?|登記・建築確認・増改築・修繕履歴・インスペクション

第9章 築古住宅を売る前に何を調査する?|登記・建築確認・増改築・修繕履歴・インスペクション
古い家の売却では、「まず査定を依頼し、価格を聞けばよい」と考える方も少なくありません。しかし、昔リフォームしたものの時期や工事箇所を覚えていない、増築した記憶はあるが図面が見つからない、建築確認済証や検査済証の保管場所が分からないという住宅もあります。築古住宅では、価格だけでなく、建物がどのように建築され、その後どのような工事や修繕が行われ、現在どのような形状・状態になっているのかを整理する意味が大きくなります。本章では、登記、建物、図面、改修履歴、現況差を順番に確認し、販売前に整理したい事項を明確にします。
初めに結論
築古住宅を売却する前には、登記事項証明書、建物図面、各階平面図、建築確認関係資料、設計図、増改築・リフォーム履歴、工事請負契約書、修繕記録、保証書、固定資産税資料を確認し、現在の建物と資料に相違がないか整理することが重要です。資料だけで判断できない場合は、現地確認、インスペクション、土地家屋調査士や建築士等への確認を検討します。資料が不足しているだけで売却不可とは判断しません。
有料調査や資料取得へ費用を掛ける前の5つの基準
インスペクション、測量、図面作成、専門家調査などへ費用を掛ける場合は、売却上の目的と必要範囲を先に決めます。
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最大損失額:資料取得費、調査費、図面作成費、追加確認費など、売却価格へ反映されない可能性も含めて負担できる上限を定めます。
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成功条件:資料と現況の差異を整理できる、買主へ建物状態や履歴を説明しやすくなる、販売方法を選ぶ材料が増えるなど、調査の目的を明確にします。
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失敗条件:調査範囲が販売判断へ結び付かない、追加調査が続いて費用や期間が定まらない、売却希望時期に販売準備が間に合わない状態を想定します。
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損切り基準:見積額が予算上限を超える、調査対象が広がり続ける、売却判断に不要な項目まで依頼範囲へ入る場合は、範囲の縮小や実施時期の変更を検討します。
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実行しない選択肢:全項目を先に有料調査せず、登記資料、手元の図面、現地確認、公的資料から不明点を整理し、必要箇所だけ追加確認する方法も比較します。
調査量が多いほど有利になるとは限りません。不動産会社、土地家屋調査士、司法書士、建築士、行政窓口などの役割を分け、販売方法の判断に必要な範囲から進めます。
築古住宅は「登記→建物→図面→改修履歴→現況差」の順で確認する
築古住宅の売却前調査は、登記から始め、建物、図面、改修履歴、現況差へ進むと整理しやすくなります。
| 調査段階 | 主な確認内容 | 調査する意味 |
|---|---|---|
| 登記を見る | 所在、種類、構造、床面積、所有・権利情報 | 公的に記録された基本情報を把握する |
| 建物を見る | 現在の形状、間取り、増築、別棟、劣化状態 | 現況を把握する |
| 図面を見る | 建物図面、各階平面図、設計図、確認申請図書 | 建築時・登記時の状態と現況を比べる |
| 改修履歴を見る | 増築、リフォーム、構造変更、修繕、設備交換 | 建物へ行われた工事を整理する |
| 現況差を見る | 面積、形状、間取り、別棟、車庫、水回り等 | 資料と現在の建物の不一致を把握する |
| 専門家へ確認する | 登記、構造、法適合性、建物状態 | 不動産会社だけで判断しない事項を区分する |
一つの資料だけで、建物全体の状態、構造安全性、法適合性、登記上の問題を判断することはできません。複数資料と現況を照合し、不明点を専門家確認へつなげます。
売却前調査フロー
売却前調査は、次の順序を基本に進めます。
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登記事項証明書を取得し、登記上の建物情報を確認する
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現地で現在の建物形状、間取り、増築、別棟、劣化状態を確認する
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建物図面、各階平面図、建築確認関係資料、設計図を確認する
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増築、リフォーム、構造変更、修繕、設備交換の履歴を整理する
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登記・図面・税資料と現在の建物との差を確認する
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必要に応じてインスペクションを検討する
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登記、構造、法適合性等を必要な専門家へ確認する
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調査結果を基に販売方法と買主へ示す事項を整理する
フローだけで専門判断が完了するわけではありません。調査中に見つかった差異を一律に問題扱いせず、差異の理由、影響、追加確認の必要性を個別に整理します。
確認資料一覧表
確認資料ごとに分かる範囲が異なるため、目的を分けて使用します。
| 確認資料・項目 | 主な確認目的 |
|---|---|
| 登記事項証明書 | 登記上の所在、種類、構造、床面積、権利情報 |
| 建物図面 | 登記上の建物位置・形状 |
| 各階平面図 | 各階の形状・床面積、現況との比較 |
| 建築確認済証 | 建築確認を受けた計画の確認 |
| 検査済証 | 完了検査関係資料の確認 |
| 設計図・構造図 | 建築当初の間取り、形状、構造、設備、仕様 |
| 増築履歴 | 増築時期、場所、床面積、施工者、登記反映 |
| リフォーム履歴 | 工事時期、箇所、内容、間取り・構造変更等 |
| 工事請負契約書・見積書 | 工事時期、施工者、工事項目、規模 |
| 修繕記録・工事写真 | 維持管理、修繕箇所、工事前後の状態 |
| 保証書 | 工事・設備履歴、保証内容・期間の確認 |
| 固定資産税資料 | 課税上の建物情報、床面積等 |
| 現況 | 各資料との形状・面積・間取り等の差異 |
| インスペクション | 調査時点の建物状態を把握する手段の一つ |
一つの資料だけで建物全体の状態や法適合性を判断しません。登記、建築確認、固定資産税、現況、インスペクションは、それぞれ目的と確認範囲が異なります。
登記事項証明書は公的な基本情報を確認する入口
最初に建物の登記事項証明書を確認し、登記上の所在、種類、構造、床面積、所有者、権利情報などを把握します。
法務省は、土地・建物の登記事項証明書や図面証明書を法務局窓口のほか、オンラインで交付請求できると案内しています。法務局「登記事項証明書・地図・図面証明書の取得」
登記事項証明書は公的に記録された情報を確認する資料ですが、現在の建物形状、劣化状態、過去の全工事、建築基準関係規定への適合性まで示す資料ではありません。現況と図面を別に確認します。
建物図面は登記上の位置・形状を確認する資料
建物図面は、敷地内における登記建物の位置や形状などを確認する資料の一つです。
現地と比較すると、建物形状が異なる、増築部分が反映されていない、車庫・物置・離れなどの別棟があるといった差異に気付く場合があります。ただし、建物図面だけで増築時期、施工内容、建築確認の有無、法適合性までは判断できません。
法務省は、建物図面・各階平面図を図面証明書としてオンライン請求できると案内しています。法務省「オンラインによる登記事項証明書等の交付請求」
各階平面図は床面積と各階形状を比較する資料
各階平面図は、登記上の各階の形状や床面積を確認し、現在の建物と比較するための資料です。
現況との比較により、増築、部屋数の変更、壁の撤去、開口部の変更、水回りの移設などを調べる手掛かりになる場合があります。ただし、登記の各階平面図は詳細な設計図と同じではなく、柱・梁・耐力壁への工事や構造安全性を判断する資料でもありません。
間取り差がある場合は、設計図、工事契約書、リフォーム資料、現地の痕跡を合わせて確認します。
建築確認済証は建築計画の確認に関する資料
建築確認済証は、建築確認が必要な建築物について、工事着手前に建築計画が建築基準関係規定へ適合するか確認を受けた際に交付される資料です。
大村市は、建築確認を必要とする建築物では、工事着手前に確認申請を行い、建築主事または指定確認検査機関の確認を受ける制度を案内しています。大村市「確認申請を必要とする建築物等」
確認済証は建築計画段階の資料であり、工事完了後の状態を確認した検査済証とは役割が異なります。また、確認済証があっても、その後の増改築や間取り変更が全て反映されているとは限りません。
検査済証は完了検査に関する資料
検査済証は、確認済証と同じ資料ではありません。建築工事完了後の完了検査に関係する資料です。
長崎県は、完了検査で建築物等が建築関係法令へ適合していることが確認された場合に、検査済証が交付されると案内しています。長崎県「確認申請・中間検査・完了検査」
ただし、検査済証の有無だけで現在の建物状態や、その後の工事内容まで判断することはできません。検査後の増築、リフォーム、構造変更、劣化、修繕履歴は別に確認します。
建築確認済証・検査済証が見つからない場合
書類が手元にないだけで、直ちに売却できないとは限りません。再発行の可否、交付記録、行政保管資料、建築時期、現況を順番に確認します。
大村市は、紛失した確認済証等の再発行はできない一方、市に権限のある建築関係事務については交付を受けた事実の証明手続を案内しています。長崎県や指定確認検査機関が交付した場合は、該当機関への確認が必要です。大村市「確認済証等の交付証明」
また、大村市は、市に権限のある建築関係事務について、昭和46年以降に建築確認を受けた建築物等の建築計画概要書を窓口で閲覧できると案内しています。大村市「建築計画概要書の閲覧」
書類不足を法適合性の判断へ直結させず、行政記録、設計図、工事資料、登記、固定資産税資料、現況を照合します。
設計図・構造図は建築当初の状態を確認する材料
設計図が残っている場合は、新築時の間取り、建物形状、柱・梁・壁などの構造、設備、建築当初の仕様を確認する材料になります。
現在の間取りと比較すると、壁の撤去、開口部変更、水回り移設、増築などを調べる手掛かりになる場合があります。特に柱、梁、壁へ大きな工事を行った記憶がある住宅では、構造図、施工図、工事写真、施工会社の資料が重要になる可能性があります。
ただし、図面だけで工事が図面どおり施工されたか、現在の構造安全性がどうかを断定できません。必要に応じて建築士等へ確認します。
増築履歴は床面積・登記・建築確認との関係を整理する
増築履歴では、増築時期、場所、床面積、用途、施工会社、建築確認関係資料、登記への反映、固定資産税資料を確認します。
工事資料が残っていない場合も、登記事項証明書、建物図面、各階平面図、建築計画概要書、固定資産税資料、現地の形状を比較すると、増築の可能性や追加確認事項を整理できる場合があります。
大村市は、未登記家屋であっても固定資産税等の対象となり、新築・増築時には市への届出が必要と案内しています。ただし、市への届出は登記や所有権を登録・保証する手続ではありません。大村市「未登記家屋」
増築が資料にないだけで違法または売却不可と判断せず、土地家屋調査士、建築士、行政窓口等へ確認項目を分けます。
リフォーム履歴は工事内容と目的を具体化する
「リフォーム済み」という表現だけでは、買主が建物状態を判断するための情報として十分とは限りません。
工事時期、工事箇所、工事内容、施工会社、DIYの有無、間取り変更、柱・梁・壁への工事、水回り移設、設備交換、防水、断熱、耐震工事などを分けて整理します。領収書、見積書、工事写真、仕様書、保証書も確認します。
設備交換や内装更新と、雨漏り修繕、構造変更、増築では、販売上の意味が異なります。リフォーム費を掛けた事実だけでプラス評価を決めず、現在の状態と買主需要を合わせて考えます。
工事請負契約書・見積書は工事の範囲を確認する資料
工事請負契約書や見積書が残っている場合は、工事時期、工事会社、工事項目、対象範囲、工事規模を確認できます。
契約書だけでは施工完了や現在の状態まで確認できないため、領収書、完了報告書、工事写真、保証書、施工会社への照会可能性も確認します。見積書は実施前の予定内容であり、最終的な施工内容と異なる場合があります。
書類を工事実施の証拠として一律に扱わず、契約、支払、施工、完了の各段階を分けて整理します。
修繕記録は維持管理の履歴を説明する材料
修繕記録は、築年数だけでは分からない維持管理の状況を整理する材料になります。
屋根、外壁、雨漏り、給排水設備、給湯器、シロアリ対策、防水工事、基礎、建具などについて、修繕時期、原因、工事内容、施工会社、その後の状態を確認します。写真や領収書だけでも、工事時期や対象箇所を調べる手掛かりになる場合があります。
修繕歴がある事実だけで現在の不具合が解消済みとは断定せず、現況確認と合わせて買主への説明材料を整理します。
保証書は工事・設備履歴を確認する資料
設備保証、工事保証、防水保証、シロアリ保証などが残っている場合は、施工時期、施工会社、対象箇所、保証内容を確認する資料として活用できます。
ただし、保証書があるだけで現在も保証が有効とは限りません。保証期間、名義変更の扱い、免責事項、定期点検の実施条件、施工会社の連絡先などを確認します。
保証の有効性を広告で断定せず、買主へ提示する場合は、保証書の原本・写しと現在の適用条件を整理します。
固定資産税資料は課税上の建物情報を確認する資料
固定資産税の課税明細書、名寄帳、評価証明書等から、課税上の建物情報や床面積などを確認できる場合があります。
大村市は、固定資産税の縦覧帳簿に所在、評価額、地積・床面積等が記載され、自己資産の名寄帳も閲覧できると案内しています。大村市「固定資産税の縦覧」
固定資産税資料は課税目的の資料であり、登記事項証明書と同じ情報を証明するものではありません。床面積や棟数等に相違がある場合は、増築、別棟、未登記部分、算定方法などの可能性を整理し、市、土地家屋調査士等へ必要な確認を行います。
資料と現況の相違は理由を調べる
資料と現在の建物が違う場合でも、相違があるという事実だけで違法建築または売却不可とは判断しません。
主な確認例は次のとおりです。
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登記床面積と現在の建物規模が異なる
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建物図面に増築部分が記載されていない
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各階平面図と現在の間取りが異なる
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車庫、物置、離れが資料に記載されていない
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水回りの位置が変更されている
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壁、柱、梁、開口部に変更履歴がある
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固定資産税資料と登記の面積・棟数が異なる
差異を確認した後、工事時期、施工者、建築確認、登記反映、課税資料、現在の利用状況を調べます。登記は土地家屋調査士・司法書士、構造・建築関係は建築士や行政窓口、法的責任や紛争は弁護士等へ確認します。
インスペクションとは何か
インスペクションは、中古住宅の売買時点における建物状態を把握するための調査手段の一つです。
国土交通省は、既存住宅が新築時の品質、維持管理、経年劣化によって物件ごとの差があることを踏まえ、建物状況調査を売買時点の物件状態を把握する手段として案内しています。また、既存住宅状況調査は建築士法上の建築物調査に当たり、所定の講習制度を設けています。国土交通省「インスペクション」、国土交通省「既存住宅状況調査技術者講習制度」
調査対象、方法、報告内容、立入り可能な範囲は、依頼する調査の種類や建物条件により異なります。依頼前に調査範囲、対象外項目、費用、日程を確認します。
インスペクションは必ず必要なのか
全ての築古住宅で一律に実施しなければならないとはいえません。建物状態、築年数、修繕履歴、販売方法、買主へ提供したい情報、目視だけでは分かりにくい不具合の可能性を基に検討します。
現状売却でも建物状態を整理したい場合、長期間空き家だった場合、雨漏りや劣化の原因が不明な場合などは、検討する意味がある可能性があります。一方、解体を前提とする販売案や、調査可能範囲が限られる住宅では、費用と得られる情報を比較します。
実施の有無を先に決めず、調査目的、最大負担額、結果の利用方法、販売スケジュールを整理します。
インスペクションで全て分かるわけではない
インスペクションを実施しても、建物に関する全ての問題が判明し、登記・法令・境界まで解決するわけではありません。
調査は、目視できる範囲、調査方法、立入り条件、機器の使用範囲などに限界があります。壁や床の内部、地中、隠れた配管、調査時に症状が出ていない不具合などは把握できない場合があります。
また、登記内容、未登記増築、建築確認、法適合性、境界、越境、再建築条件は別の確認領域です。調査報告書の対象範囲と注意事項を読み、必要な追加確認を区分します。
資料が何も残っていない場合
古い家の資料が少ない場合でも、直ちに売却できないとは限りません。取得できる公的資料と現況から調査を始めます。
まず登記事項証明書、建物図面、各階平面図を取得し、現在の建物を確認します。その後、建築計画概要書や確認済証等の交付記録、固定資産税資料、増改築の痕跡、施工会社や家族の記憶を整理します。
資料が存在しない事実と、未確認である事実を分けて記録します。必要に応じて土地家屋調査士、建築士、行政窓口等へ確認し、判明した範囲と未確認範囲を販売資料や契約条件へ反映します。
売却前に古い資料を捨てない
設計図、構造図、工事契約書、見積書、リフォーム資料、修繕記録、工事写真、保証書、建築確認関係資料は、古くても売却時の確認材料になる場合があります。
資料整理前に廃棄すると、建築時の仕様、増築時期、施工会社、修繕内容を確認する手掛かりを失う可能性があります。日付、工事箇所、施工会社が分かるように分類し、原本と写しを区別して保管します。
個人情報や不要書類の処分は、売却に必要な資料を選別した後に行います。
調査前にリフォーム・解体を決めない
資料と現況を確認する前に、全面リフォーム、解体、増築部分の撤去、補強工事を先に決めないことが重要です。
調査前に工事すると、建物履歴を示す部分が失われる、利用可能な建物を解体する、買主が自分で改修したい箇所へ費用を掛ける可能性があります。一方、調査結果によっては補修や解体が合理的な場合もあります。
先に登記、建物、図面、工事履歴、現況差を整理し、建物状態、土地条件、買主需要、費用、売却希望時期を比較して販売方法を決めます。
築古住宅を売る前の調査チェック
手元に資料がない項目は、未確認として記録し、取得先や確認先を整理します。
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登記事項証明書
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建物図面
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各階平面図
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建築確認済証
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検査済証
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建築計画概要書・交付証明の確認
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設計図
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構造図
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増築履歴
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リフォーム履歴
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間取り変更履歴
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柱・梁・壁への工事履歴
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工事請負契約書
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見積書・領収書
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修繕記録
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工事写真
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保証書
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固定資産税資料
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現在の建物形状
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現在の床面積
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車庫・物置・離れ等の別棟
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資料と現況の相違
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インスペクションの必要性
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専門家確認の必要性
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売却希望時期と調査期間
よくある質問
Q. 築古住宅を売る前に最初に確認する資料は何ですか?
最初に登記事項証明書を確認し、建物の所在、種類、構造、床面積、所有・権利情報を整理します。その後、現地で建物を見て、建物図面、各階平面図、建築確認資料、設計図、工事履歴と比較します。一資料だけで現在の状態まで判断しません。
Q. 建築確認済証が見つからなくても売却できますか?
手元にないだけで直ちに売却不可とは限りません。確認済証の再発行はできませんが、交付記録の証明や建築計画概要書を確認できる場合があります。建築時期、交付機関、行政保管資料、設計図、現況を調べ、買主へ示す情報を整理します。
Q. 検査済証がない中古住宅は売却できますか?
検査済証が見つからないことだけで売却不可とは判断できません。ただし、完了検査記録の有無、建築後の増改築、現在の状態、融資や買主判断への影響を確認する必要があります。行政や指定確認検査機関の記録、建築士等への確認を検討します。
Q. 設計図や平面図が残っていない場合はどうしますか?
資料がなくても、登記事項証明書、建物図面、各階平面図、建築計画概要書等を取得できる場合があります。現在の建物形状と間取りを確認し、家族の記憶、工事写真、施工会社の記録も整理します。必要な図面作成は建築士等へ相談します。
Q. 増築やリフォームの履歴が分からない場合はどうしますか?
履歴不明だけで売却不可とは限りません。登記床面積、建物図面、各階平面図、固定資産税資料、現況を比較し、増築跡や間取り変更を確認します。施工会社、工事時期、確認申請、登記反映が不明な項目を分け、専門家確認へつなげます。
Q. 登記と現在の建物が違う場合はどうしますか?
相違があるだけで違法または売却不可とは判断しません。増築、減築、別棟、未登記部分、測定方法等の可能性を整理し、図面、固定資産税資料、建築確認資料、現況を照合します。登記は土地家屋調査士等、建築関係は建築士や行政へ確認します。
Q. 固定資産税資料と登記内容が違う場合はどうしますか?
課税資料と登記は目的が異なるため、同じ情報とは限りません。面積、棟数、用途等の差を確認し、増築、別棟、未登記部分、算定方法などの可能性を整理します。大村市の税務担当窓口と土地家屋調査士等へ、必要な確認を分けて行います。
Q. 築古住宅ではインスペクションをした方がよいですか?
全物件で一律に必要とはいえません。建物状態、築年数、空き家期間、修繕履歴、売却方法、買主へ提供したい情報を基に判断します。実施する場合は、調査範囲、対象外項目、費用、日程、結果の利用方法を確認し、他の調査と重複させません。
Q. インスペクションをすれば建物の問題が全部分かりますか?
全てが判明するわけではありません。目視できない部分、調査対象外の設備、調査時に症状が出ない不具合等は把握できない場合があります。登記、建築確認、法適合性、境界、再建築は別の確認領域です。報告書の調査範囲と注意事項を確認します。
Q. 古い家の資料が何も残っていない場合は売却できますか?
資料が少ないだけで直ちに売却不可とは限りません。登記事項証明書、建物図面、各階平面図、行政の建築確認記録、固定資産税資料を確認し、現況と比較します。判明した事項と未確認事項を分け、必要に応じて専門家調査や契約条件を検討します。
次章へのご案内
登記、建物、図面、増改築・リフォーム・修繕履歴、固定資産税資料、現況を整理した後は、調査結果を基に販売方法を総合判断します。
第10章「大村市で古い家を売る前の最終チェック|リフォーム・増築・未登記・解体を判断する」では、第1章から第9章までの判断項目を統合し、現状売却、補修、解体、登記対応、専門家確認、販売スケジュールを最終確認します。
陸自不動産へ相談する意味
株式会社陸自不動産では、古い家の価格だけを見るのではなく、登記を確認し、建物を見て、図面と工事履歴を整理し、現況との差を確認したうえで販売方法を考えます。
資料が全部そろっていない段階でも、手元にある登記、図面、工事記録、写真、固定資産税資料と現在の建物を整理し、追加確認が必要な事項を把握できます。遠方にお住まいの場合も、資料取得と現地確認の役割を分けながら相談できます。
登記、構造、建築確認、税務、法的判断を不動産会社だけで断定せず、土地家屋調査士、司法書士、建築士、行政窓口、税理士、弁護士等へ確認が必要な領域を区分します。
第9章のまとめ
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最初に登記事項証明書を確認し、登記上の基本情報を把握します。
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現在の建物形状、間取り、増築、別棟、劣化状態を確認します。
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建物図面、各階平面図、建築確認済証、検査済証、設計図・構造図を確認します。
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増築、リフォーム、間取り変更、構造変更の履歴を整理します。
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工事請負契約書、見積書、修繕記録、工事写真、保証書を確認します。
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固定資産税資料と登記は目的が異なるため、同一資料として扱いません。
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資料と現在の建物に相違がある場合は、差異の理由と影響を調べます。
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資料が不足しているだけで、違法または売却不可とは判断しません。
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必要に応じてインスペクションを検討します。
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インスペクションだけで登記、法適合性、境界等まで判断しません。
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必要に応じて土地家屋調査士、司法書士、建築士、行政窓口等へ確認します。
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調査結果を基に、現状売却、部分補修、解体などの販売方法を比較します。
次章では、第1章から第9章までの情報を一つの最終チェックへ統合し、築古住宅の販売方法を総合判断します。
記事紹介文
大村市で築古住宅や古い家の売却を検討する方へ、登記事項証明書、建物図面、建築確認済証、検査済証、設計図、増改築・リフォーム・修繕履歴、固定資産税資料、現況、インスペクションの確認方法を整理します。資料が不足する場合の調べ方や専門家への確認範囲まで、不動産売却前の調査手順を分かりやすく解説する実務ガイドです。
免責事項
本記事は、一般的な不動産売却情報の提供を目的としています。記事だけで建物の構造安全性、法適合性、登記状態、増改築手続、建築確認・完了検査の状況を判断するものではありません。建築確認済証・検査済証・設計図等の有無だけで売却可否を判断できません。登記内容、建物図面、固定資産税資料、現況は個別確認が必要です。増改築、未登記部分、建物表題部等は土地家屋調査士、権利登記は司法書士、構造・建物状態・建築関係は建築士や行政窓口、税務は税理士・税務署・自治体、法的責任や紛争は弁護士等への確認が必要となる場合があります。インスペクションには調査範囲と方法上の限界があり、全ての不具合を発見するものではありません。売却価格、売却期間、成約、融資利用を保証するものではありません。法令、制度、行政の保管状況・運用は改正または変更される場合があります。
参考情報
執筆者情報
株式会社陸自不動産 代表取締役 小松野美貴哉
宅地建物取引士/おうち売却の達人
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